前の記事でエレーナ・ブルケの絶唱として「ノスタルヒア」を紹介した。
そのときにこの曲はアルゼンチンタンゴの18番のひとつだと書いて、そこにタンゴの典型的な演奏をリンクさせようと思って、YOUTUBE漁りをしていた。
そのときに日本人の歌う「ノスタルヒア」がヒットしたのである。
アンナ・サエキさんという方のようだが、まぁ見てもらえば分かるが熱演である。
見ていて「これは石川さゆりの津軽海峡冬景色だ」と思った。年恰好も振袖を着るにはちょっと年を過ぎたくらいの方で、振りも大げさなわりには単調で、都はるみが「あんこ椿は…」と手をかざして唸るときのしぐさの繰り返しである。肝心な歌もムムである。発音もルビについたカタカナを読んでいる程度だ。正直言って顔と度胸がいいだけの素人だ。
私に責任はないのに、なぜか見ていて恥ずかしい(サエキさん、ごめんなさい。すこしアルコールが回っている)
この動画に40もコメントがついていて、そのほとんどがスペイン語、アルゼンチンからのリスポンスも多い。
スペイン語はテンで読めないが、みんなびっくりしている様子はうかがえる。それも中身よりも発音が素晴らしいとほめている。
なかには、最後のフーベーントゥー(Juventud)の「ウ」が「オ」に聞こえるから、もっと下唇を突き出せなどという指導もある。考えてみると、これらの意見は、カタカナをそのまま読めばスペイン語になるほど母音構造が似ていることの証明かもしれない。
50年前のポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)は世界一流の国民として、他国民を見下していた。落魄したいまのアルゼンチン人にとっては、巧拙は別として、日本人がこんなにタンゴを好いてくれるというのはとてもうれしいのだろうと思った。