アメリカのデフォルト危機はいくつかの要因の結果である。双子の赤字といわれる貿易赤字と財政赤字だが、これをGDPの上昇と資本収支の黒字(連邦債の発行)で補ってきた。リーマン・ショック後のGDP増加率の停滞が、財政赤字に火をつけた。それが連邦債の返済を困難にさせている。
ここまでは常識。
米政府の行政管理・予算局は財政赤字の直接的な原因を次の三つに求めている。すなわち、①富裕層減税による税収低下、②失業者の増加に伴う失業給付の増加、③アフガン戦争による戦費増大。
ということで、これらはすべてブッシュ共和党政府の責任。こういう点では原発事故と似ている。

アメリカはオバマ改革になお抵抗している。金持ち優遇税制は昨年10月で失効するはずだった。しかし中間選挙での共和党の躍進によりそれは不可能となった。
しかしオバマが好きか嫌いかを問わず、いやおうなしに、アメリカはアフガンから手を引かざるを得なくなるし、金持ち減税も廃止せざるを得なくなるだろう。三つの要因のうち二つが片付けば、未だアメリカはやれると思う。オバマにとっては花見劫だ。
しかし失業問題はオバマの足を引っ張るかもしれない。
再選を勝ち取るためには金持ち階級との対決姿勢を強める以外に手はないが、メディアを使った総攻撃に果たして耐えられるだろうか。
9.11後のアメリカ国民の狂気のような愛国心を経験した私たちからすれば、たしかに見通しはかなりきついと思う。アメリカの再生は、オバマを当選させた民衆がふたたび決起するか否かにかかってくるだろう。