私たちは戦後の焼け野原から努力と技術を信じて復興を遂げてきた。二宮金次郎と野口英世が偉人だった。松下幸之助もそうだったし、豊田佐吉、井深大、本田宗一郎…激しい国内競争を戦い抜いた勝者はみんな尊敬されていた。
日本は国土が狭く資源も乏しい。だから貿易で生きるしかない。平和で中等度に発達した国で、万国に伍してけなげに生きていこうというのが国家モデルだった。
それがいつしか貪るようになってしまった。世界の一等国を目指すようになってしまった。そのためにアメリカ一辺倒の国になってしまった。おそらく昭和40年代後半のことであろう。第二次石油ショック、その後の集中豪雨型輸出、そしてプラザ合意と変動相場制への移行あたりが転換点になっているのではないか。
あとはバブル景気で、すっかりおごり高ぶってしまった。若者(いまの40歳代)は働かなくなった。中年(いまの50歳代)はすっかり傲慢になった。
それではその下はどうか、30歳代は右往左往し、20代は絶望している。そしてみんなアメリカべったり経済で良い目を見たりひどい目にあったりした世代だから、それ以外の経済システムがあるということすら想像できない。
もう一回昭和40年に戻ろうではないか。18歳の昔に…