実は改正貸金業法(サラ金法)は大変実効性の高い法律なのです。よくもまぁこんな法律が通ったものだと感心してしまうほどです。
特に有効なのが
総量規制: 借入残高を年収の三分の一以下に制限する、
金利規制: 金利の法定上限を20%以下にする、
の二つです。
施行以来1年半で、多重債務者は100万人以上減り、個人破産・多重債務を原因とする自殺も顕著に減少しています。
30歳以上の方なら、10年前と街の光景が一変したことがお分かりと思います。10年前、駅前や繁華街はサラ金の看板が林立していました。今はどこにもありません。見事に消えてしまいました。街を歩いていても、もうティッシュはもらえません。ティッシュは買うものになってしまったのです。

サラ金法は、国際経済・金融情勢をどう見るのか、どう改革すべきかを考える上でも大変参考になる法律です。世界には経済ルールがありませんから、サラ金の手法を用いた大国の横暴(貸込み)が続いています。だから新たな世界の経済秩序を構築しようとする際、具体的に何をどうすべきかが良く分かるからです。

しかしいま、「高金利地獄」をふたたび目指す動きが強まっています。一部の議員(共産党・社民党を除く全会派)は、「勉強会」を開いて法律の再改正に向けて動いています。 今月「勉強会」のメンバーが提言を発表しました。それは上限金利をかつての30%に引き上げ、総量規制を大幅に緩和するというものです。
勉強会の意見では「規制が過剰で、業者が苦しんでいる」とか「金融行政が消費者保護に偏りすぎている」とか「金利は自由にすべきだ」という「暴論」も出ているとのことです。
それらの反応は、いかにこの法律が問題を芯で捕らえているかの証明となっています。