21日、EU首脳会議が18兆円相当の追加支援を決めた。同時に大手銀行にギリシャ国債の割引をもとめ、新発債へ乗換えることで資金回収の先送りを容認する、という内容だ。さらに欧州中央銀行(ECB)も4兆円の信用保証に合意した。
昨年5月の第一次支援より規模も大きく、内容も深化している。おそらくこれが最後の切り札だろう。これがだめなら“アルゼンチン”だ。しかし母体がアメリカ・ドルとユーロでは格が違う。ギリシャのアルゼンチン化は即、EU圏内大銀行の倒産、ユーロシステムの崩壊につながる。
それどころかアメリカの債務危機と結びついて、1929年大恐慌の再現すら招きかねない。そういう危機感が支援の背景にはある。だからことの本質はギリシャ支援ではなく、銀行と投機資本への支援 なのだ。間違いないのは、ギリシャの民衆は決して救われないということだ。

ユーロの発想そのものを否定するわけではない。しかし金融資本の好き勝手を抑える術を持たずに走り出せば、いずれこうなることは分かっていたはず。
打つ手は打った。これでだめならギリシャをいったんデフォルトに追い込み、ユーロ圏から離脱させ、平価の思い切った引下げを断行するしかない。ギリシャはそれでよいが、残された大銀行には、自業自得とはいえ膨大な焦げ付き債権と破産の道が広がっている。
これを機会にトービン税やその他の規制により金融資本の暴走を抑えることが必要だ。というより、そこに「もうひとつの世界」とつながる鍵があるのかもしれない。