東電による賠償の遅れがはなはだしい。
本来、処理委員会に入るようなケースは例外で、当然ただちに支払うべきケースが滞っている。率直に言って東電には事務処理能力がないし、その気もない。
法に照らせば一次責任が東電にあるのは当然だが、それを言っていても始まらない。行程表を明らかにし、政府が直接乗り出すべきだ。
同時に、基本的なガバナビリティが欠如している東電という会社そのものを破産処理すべきだ。こんな会社に将来の日本のエネルギー政策を任せておくわけには行かない。
とりあえず政府の管理する電力事業を立ち上げ、発電・送電・配電その他を移行すべきではないか。
もちろんこれは過渡的営業形態である。何が何でも国有化すればよいというわけではない。ただ地域独占の民間経営というのは、いかにも不自然である。現在の9電力会社体制というのはいずれ改変されなければならない存在である。
民営を貫くとしても、特殊な法人であることは間違いない。地域独占経営に企業秘密は必要ない。決定・実施過程を徹底的に透明化すべきだ。最低でもNHK並みの規制は必要だ。自民党に献金するなど正気の沙汰ではない。
現場の社員にとっても透明性と政治的中立は不可欠だ。いくら高給をもらったとしても、「あの人東電よ」と後ろ指指されるのは気持ちよいものではない。ここがすっきりすれば、よほどやる気が出るだろう。