6月29日の記事で、中国とベトナムの南シナ海での紛争が解決の方向に向かい始めたと書いた。その後、フィリピンとの交渉なども始まり、事態は改善しつつあるものと考えていた。
その矢先の7月5日、中国海軍の艦船がベトナムの漁船を漁場から強制的に排除する事件が発生した。AFPの報道によると南シナ海で操業中のベトナム漁船に中国艦船が近づき、魚を差し押さえた上、漁場から連れ出したというもの。
情報の内容からして出所がベトナム側であることは明らか、報道が事件から10日たってからのものであることから、ベトナム側はさまざまな判断の上、この情報をリークしたものと見られる。
中身の異常さもさることながら、党レベルでの合意が軍によって破られたことに強い違和感を覚える。たとえ民主主義の内容やレベルに問題があるとはいえ、党・軍・政府の団結と統制が健在である点で、私たちは中国に対する信頼を構築してきている。党の方針が軍に貫徹しない状況になるなら、それは即中国の政治体制の危機である。
汚職・腐敗もたしかに深刻な問題であるが、東シナ海での石油掘削の事故を隠蔽したこともふくめ、中国の「内向き体質」が強まっているのではないか、鄧小平路線の否定的側面が復活・強化されているのではないか、と心配である。