あまり品のない文章は書きたくないが、7月5日のブログで、米倉会長の経営する住友化学の子会社がセシウム除去剤をドイツから輸入・販売という「うわさ」についてはっきりさせておきたい。
米倉会長がこの件について承知していた可能性は低いと思われる。すくなくともそれを示唆する情報はまったくない。
米倉会長がヨーロッパ訪問に際して、輸入元の会社と接触した可能性はない。少なくともそれを示唆する情報はまったくない。
住友化学は系列の会社を含めて巨大な企業であり、社長といえども個別案件に至るまで掌握しているわけではない。まして米倉氏にとっては経団連会長という重責を果たすことが最大の任務である。しかも密かに首相を操って政治を牛耳ろうという野心を持っているわけだから、子会社が何を輸入しようと知ったことではない。

ということを前提として、知りえた事実を書き留めておく。

ラディオガルダーゼについて

3月15日 日本メジフィジックスが、放射性セシウム体内除去剤を緊急輸入したと発表。これは「ラディオガルダーゼカプセル」(商品名)で、製造供給元はドイツのハイル社。広報担当者によれば「関係当局からの要請を受けたもので、今後、東日本大震災の被災地に輸送され、国主導で患者に無償提供される」こととなっている。

一般名はヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物というから一種のキレート剤で、腸管内でセシウムと結合し、もろとも排泄される仕掛けのようだ。原理的には下痢または便秘、低カリウム・カルシウム血症などが考えられるが、それほど危険な薬ではなさそう。報道ではゼオライトでも吸着できるという。さらに市販のポット型の浄水器でも放射性ヨウ素の98%、セシウムの93%が吸着されるという。

要は、こんなことさえこれまで研究もされず、まして備蓄もマニュアル化もされていなかったということであり、それが最大の恐怖だ。

なお日本メジフィジックス社は昨年11月に同薬品の輸入販売承認を取得している。このとき日本メジフィジックス社が報道関係者各位あての「お知らせ」を発表しているが、なんとも奇妙な内容だ。

本剤は、国際的には、米国において Strategic National Stockpile の制度に基づき国家備蓄が開始されているほか、世界保健機関(WHO) においても Essential Medicine の一つとして備蓄推奨のリストに上げられるなど、標準的な放射性セシウム体内除去剤として位置付けられています。
 一方国内では、厚生労働省による「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、関係する学会等からの導入要望を受け、今回迅速な承認取得に至りました。(
ドイツでは35年以上前から販売されている

世界標準として位置づけられている大事な薬が、どうしてそれまで原発先進国日本に導入されていなかったのでしょうか。人権後進国の証明なのでしょうか。しかも導入後4ヶ月を経過しても備蓄はなく、事故後にあわてて緊急輸入をしたという顛末のようです。こういうのを「泥縄」というのでしょう。

日本メジフィジックスについて

「お知らせ」では自社をこのように紹介している。

日本メジフィジックス株式会社は、疾病の早期診断に有用とされる核医学診断に用いら れる高品質な放射性医薬品の開発、製造、供給に取り組んでまいりました。今後もわが国の医療のさらなる発展のために貢献を続けてまいる所存です。

日本メジ フィジックス株式会社は、住友化学株式会社とGEヘルスケアの合弁企業です。

くどいようだが、これは儲かるような薬ではない。米倉会長はもっと正攻法で叩かなくてはいけない。