震災復興債をめぐり議論が対立している。

ライブドアのブロゴスでは以下の論調が出ている。

震災国債」の日銀引き受けには反対する。理由は次の3点だ。 

1)市場メカニズムを歪め、財政規律が失われる。

マーケットを通すことで、国債には需給メカニズムが働き、価格(金利)が決まる。しかし、日銀による国債の直接引き受けは、マーケットを通さない。そのため、国債価格を政府が一方的に決めることが可能になり、日銀券が乱発され財政規律の崩壊につながりかねない。

2)インフレや円安を招く

日銀券に対しての信頼が失われ、円安が進行し、長期金利が上昇し、インフレになることが想定される。

すでに、震災と東電の計画停電によって多くのメーカーが打撃を受けており、今後数ヶ月は輸出が減少する一方で、燃料その他の輸入の増加も見込まれるため、貿易収支が悪化し、円安が進行することが考えられる。

それに加えて国債の日銀引き受けが行われれば、円安とインフレは加速する。

3)マーケットの国債消化能力がないと受け取られかねない

日銀が引き受けるのは、国債がマーケットで消化できないからだ、日本の国債消化能力はぎりぎりのところに来ていると見られる可能性が高い。


この文章を批判するのは問題がある。というのもこれが書かれたのは4月4日のことだからだ。2)については、為替の動きを完全に読み間違えている。

今進行しているのは円高とデフレなのだから、2)の理由は逆に国債発行を促す理由となる。

1)財政規律の原則は間違いなく正しい。しかしそれは日銀が丸呑みすることについての話で、マーケットを通すか通さないかという問題ではない。マーケットを通す普通の国債をさらに増発するなら、それはそれで別の問題が生じる。

復興債発行派は、「さはさりながら」と問題提起しているわけだから、これでは水掛け論だ。

そこで残るのが3)の問題、国債を発行したとして、果たして国内に消化能力があるのかどうかという問題だ。考えてみれば、最初から問題は誰が買うのかこの一点に尽きる。

それは共産党が言うように250兆円の大企業の内部留保しかない。これをマーケットを通さずに直接に、復興債引き受けという形で拠出してもらうしかない。消化能力が落ちた日本社会の中では、埋蔵金と呼べる資産はそれしかないのである。

これがマーケットを通さず、日銀丸投げをしないで国債を発行する唯一の方法である。そして日本の持つ資産を短期に集中的に復興に投下するための唯一の手段である。

もちろんこれは要請になる。いやだといわれれば強制力はない。しかしその際には企業減税、金持ち減税を撤廃し、累進課税を厳密に適用し、海外逃避資本に対し正当なペナルティーを課せばよいのである(これらはそうでなくても断行すべき事柄であるが)。

それにしても、5月末の日銀総裁の「無から有を生み出す打ち出の小槌はない」発言以来、復興債の論議はまったく止まっています。財源スキーム、どうするんでしょうかねぇ