26日の赤旗にソニー多賀城工場の大量解雇事件の続報が載った。
ソニーは5月26日の連結決算発表で「原状回復費用として109億円が発生」したが、「ほぼ全額は受け取り保険金で相殺されるものと考えています」と述べている。
何じゃこれは?
これではまったく便乗リストラではないか。これでは首になった150人の期間社員は騙し討ちにあったようなもので、まったく立つ瀬がないではないか。ウラで「やったぜ」とほくそ笑んでいる「多賀城以外の世界のソニー」の幹部の姿がなんともおぞましく思われる。

ソニーはすでに2年前から世界中の労働者1万6千人の首切り・合理化に乗り出している。フランスでは首切りに反対する労働者が工場を占拠してストを決行。ソニーは手痛い目にあっている。それから見れば今回の大震災はまさしく渡りに船というわけだ。
しかし今日のソニーは明日のトヨタでありキャノンであり、パナソニックなのではないか。国際競争力を価格競争力のみに矮小化し、目先の利益率だけ追い求めて行ったとして、その先に何があるのか。
大企業の国際競争力強化のために苦難を耐え忍んでいる日本の労働者、国民にとってはそこが見えないのが辛いところである。