南沙諸島をめぐり緊張が続いていた中国とベトナムの間で、高官級の会談が持たれ、「平和的解決」の方向で一致したと報道された。
中国側の交渉代表は戴乗国であり、合意は党レベルのものと考えられる。とりあえず、紛争化の危険は回避されたと見てよいだろう。

以前、「中国外交史ノート: 多極化論の軌跡」 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/edit/asia/china/chinadiplo.htm

で、中国外交の歴史的分析
をした際に感じたのだが、中国外交には二つの流れがある。
ひとつは多極化論を掲げ、昔ながらのバランス・オブ・パワーの立場に固執する流れである。実際上は中国一国主義である。
これは鄧小平以来の路線であり、対米・対日では隠忍自重をこととする一方、目下の相手には必要とあれば「懲罰」も辞さない。
これに対し、江沢民政権時代の後半から、多国間主義と協調を訴える積極外交が展開されるようになった。中国がイラク紛争初期の時代に示した国際舞台での活躍はいまも記憶に鮮やかである。鄧小平の直系と言われる現在の湖錦湯政権ではその印象が薄れつつあるが、いずれ国際的に括目されるような中国外交が再登場すると確信していた。
今回の外交成果がその一歩となることを期待する。