不信任案が否決されたあと、さらに菅降ろしの動きが強められている。
問題はアメリカ、とくに軍関係がどういう態度をとるかだ。アメリカが菅を支持すれば、一巻の終わりだ。そういう点では東電ムラも必死だ。
ムラ社会の「なぁなぁ管理」にゆだねられるほどに原子力は甘いものではない。東電の危機管理の内実は惨憺たるものであった。それが白日の下に晒された。
しかしその後の対応こそが深刻であり、そこには目を覆うほどに当事者の開き直りと、ムラ社会の「庇いあい」が横行している。「きっちりとけじめをつけよう」とする構えはまったく感じられない。
原発に対する危機意識よりも、危機意識のなさに対する危機意識が深刻である。
いまや原発問題は電力問題ではない。主要な問題はコストではない。原発管理は端的にいえば核管理なのである。このようなずさんな「原子力大国」をこのままに放置してよいか。このような倫理的に締まりのないムラ社会構造を手付かずで温存し、核の管理をゆだねてよいのか。
このような思いはアメリカ国防総省も国務省も共有していると思われる。

菅降ろし策動は、紛れもなく東電問題に対する幕引き策動である。もちろん菅政権が東電問題を適切に対処できる保証はない。むしろできないと見たほうがよい。しかし自公との連立政権となれば、"やれない"というより"やらない"政府になるだろう。

これは国際的な核管理の戦略に背馳する可能性がある。なぜなら核の管理は一切のあいまいさを許さないからだ。臭いものにふたをして、何もなかったようにやり過ごそうという財界・政界の姿勢に、かつてけじめのない12年戦争へと突き進んだ軍部の体質が二重写しとなってくる。

国際世論は今後原子力に対してさらに批判的になっていくだろう。日本における原発問題のあいまいな幕引きは、各国の戦略専門家の警戒の的となろう。