5月11日の記事で「貧困」という災難が最後にやってきたという文章を載せている。赤旗の山田町ルポだった。6月8日の新聞に続報が掲載されている。
弁当をもらうのに千人の行列ができると報道された(5日現在で948人)が、その弁当の配給が打ち切られるそうだ。

山田町は支援をもとめる避難所近隣の住民に対して、避難所で暮らす被災者と同様に弁当を配給してきました。6月からは(義捐金支給開始に伴い)被災していない人への弁当配給は中止しました。在宅被災者についても、いくつかの条件をつけてきました。しかし6月中旬からは在宅被災者への弁当配給を全面停止する予定です。
在宅被災者は「避難所でも在宅でも職を失い、金がないのは同じだ」と話しています。港は破壊され漁具も流されて漁に復帰できる見通しは立ちません。「震災で収入が途絶え、そのうえ町からの支援がなくなったら地獄が始まる…こわいね」と表情が暗くなります。


やはりどうも理屈が合わない。弁当一食300円として、一日30万円だ。これで1千人の命が支えられている。受け取る人が減っているわけではない。これらの人は、被災の形態のいかんを問わず、少なくとも現時点においては、疑いなく生活保護の対象だろう。もしこれらの人に生保を適用すれば、一日あたり300万円となるはずだ。
彼らが弁当をもらうのは日本国民としての権利だ。まさに生存権そのものだ。なだ萬の松花亭弁当ならともかく、300円の弁当をもらうのに「やれ不公平だ」とか「不正だ」などと他人から後ろ指さされるいわれはない(後ろ指さす人間などいないことを望むが…)。

とはいえ山田町の財政にとって、これまでざっと2千万の支出は決して軽いものではない。生保への切り替え等、速やかな行政措置が必要だろう。