かつての指標GDPは、むしろ国民収奪率の指標となり、生産活動の水準を反映しなくなっている。実体経済の指標としては鉱工業生産の数値を見ていかなくてはならない。そういう意味で最も注目していた粗鋼生産量の推移が、鉄鋼連盟から発表された。 4月の粗鋼生産量は前年同月比6.3%減の842万トンとなった。特殊鋼が11.3%減など、やはり自動車減産の影響が強い。3月のパニック状況での数字は無視するとしても、震災の経済的影響は10%近いものと考えるのが妥当なところであろう。 受注統計も低水準が続いており、今後しばらくはこの状況が続きそうだ。とすればこの構造的変化を小手先の刺激策で乗り切ることは困難だということだ。 「せめてゼロからの出発を」の目標を実現するのに、ざっくり20兆円、原発関連の補償に10兆円と見て財源の確保と同時に、それが景気刺激に結びつく方策を体系だてることだ。 その際の二本柱は、復興債の発行と大企業による引き受け、原発に関しては「原産複合体」の全面責任ということになるだろう。 リーマンショックのとき、沈没寸前の日本経済を助けたのはアジア経済だった。そのとき以上に、今後の景気回復にあたってはアジア頼みとなる。しかし日本の強い影響下にある中国などの経済が、日本の経済収縮に伴い今後は後退局面に入ることもありうる。 この際、東アジアの枠で大きく大震災を捉え、日本とアジアの経済再興のためにどのような共同が必要なのかを考える必要がある。日米同盟・PPFからASEAN+3へのパラダイム変換が急がれる。少なくともアジアに背を向けるようなTPPの推進は行うべきではない。 端的にいえば、一刻も早く与謝野(経団連の送り込んだ刺客)を解任せよ。