「石原当選」を聞いて戦術的勝利と感じた。いま選挙をやれば現職有利に決まっている。だからやったのだろうが、勝ったと思う人は誰もいないだろう。選挙を強行した人間への不信感が募るだけだ 。そういう人間どもを乗り越えて現実は進んでいくだろう。選挙の票数とは違う民衆の力が、はるかに速いテンポで津波のように現実の政治、統治の現場を動かしている。政治にはそういうフェーズ(局 面)があると思う。  原発事故の直後、東大教授が大挙してテレビに出演した。ほとんどデマに近いような情報を垂れ流していた。レントゲンやCTの被曝に比べれば微々たるものだというのだが、そもそも単位が違う。片 方は1回の検査につき何ぼというもので、原発の被曝は1時間ごとに何ぼというものだ。1日の通算被曝量は24をかけなければならないし、10日たてば240をかけなければならない。しかもその間に 細胞分裂のフェーズを迎える細胞は桁違いだ。CT検査が1分とすれば、感受性の高い細胞数はさらに60をかけなければならない。  一番の傑作はフリップにメルトダウンと書いて、その横に日本語で「全炉心溶融」という日本語をつけていた某若手教授だった。米国のエネルギー長官がすでに13日に、「部分的なメルトダウンが生 じている」と発言したことを知らなかったのだろうか。「真っ黒でなければシロ」という推定無罪の論理は、ここでは物笑いの種でしかない。東大というのは東京大学ではなく、東電大学のことらしい。  パニックを避けたい気持ちは分かるが、そのために必要なのは事実を正確に伝えることであって、うその情報を流すことではない。避難命令が拡大されたときも「大丈夫論」が足かせになって、逆デ マや不安・不信を招いたことは明白だ。スリーマイルよりグレードが下だと強弁するに至っては何をかいわんや、恥を知れ、である。