ユッケの食中毒はあまりにも原発事故と似ている。卑怯なのは卸業者で、嘘をついていたのがばれたから、こちらは完全な犯罪行為である。生食には危険が付 きまとうこと、できれば食べないほうがよい。しかし食べるのなら必要な手間とコストをいとうてはいけない。少なくとも「安売り」を売り物にする焼肉店で出しては いけない。安全のコストは、理論上はゼロにでもできるのだから。 中部電力の水野社長の記者会見で、「原発は電力供給の基幹だ」と言い切っている。そして政府からは、追加対策の実施後に速やかに再稼動させることで確 認が得られていると述べている。これが焼肉チェーンの社長なら「ユッケは当店のメインメニューだ。追加対策をとれば問題ねぇだろう」というところだ。 問題はユッケなら食わなくても済むが、電気はそういうわけにはいかないところだ。中電社長の言っていることは、「いやなら食うな。食うなら文句言うな」というに 等しい。 今求められているのは「原発が電力供給の基幹」かどうかについての根本的な見直しである。原発が供給の基幹であるとする理由は、究極的にはコストにあっ た。安全性の抜本的見直しはコストの抜本的見直しにつながる。この視点が水野社長には欠落しているようだ。 経団連の米倉会長が副会長である東電の代弁を買って出ている。かなりハチャメチャだ。「東電の責任は免れない」という政府・与党内の意見に対し、こう開き 直った。「政府は安全基準をもっと強化しておくべきだった。政府は何をしていたのか」 よい質問です。政府はあなたの僚友のために基準を緩め、事故を隠し、安全だ安全だと大合唱を繰り返し、東電に老後の面倒を見てもらってきたのです。これ が自公政府のしてきたことのすべてです。それをあなた方は一生懸命応援してきたのです。 それにしてもこのせりふ、警察に捕まった犯人が「これまで悪事を重ねてきたのはお前たちの捜査が甘すぎたからなのだから、悪いのはお前たちだ」といってい るようなものです。たしかに国民目線で見ればあたってはいますが、犯人から言われたくはないですね。