集団化の話で、田老町の漁協組合長の話に納得するところがあったが、亘理町の町長の談話もその文脈の上でうなずけるものだ。 「町は何をするにも現場主義を貫いてきました。机の上の計画ではだめです。上からの押し付けではなく、住民の要求に基づいた積み上げによる復興計画が必 要です。農漁業の集団化や会社化という案が政府から出ていますが、まずは住民の声を良く聞いてから考えるべきことです」 集団化は一定の条件の下で、一定の期間は絶対に必要なものだ。それは同時に、集団化には一定の前提条件が必要であり、その先の大目的が明確にされた 上でなされるべきものだということです。 集団化を成功させる上での二つのキーワードが提示されてきている。ひとつは前提条件としての「現場主義」である。その定義は亘理町長がしてくれた。①要求 を基礎とし、住民一人ひとりの声を反映させること、②大所高所からの演繹プランではなく、積み上げによる帰納プラン。③整合性は求めない。後から考えれば よい。とくに③が大事だ。 もうひとつのキーワードは、集団化は個人経営の復活を目標として、その手段、過渡期形態として採用されるべきものだという信念である。会社化計画にはそれ がない。最終目標は極めて漠然としている。これでは「集団化のための集団化」になりかねない。社会的生存権も幸福追求権も最終的には個人に属するもので あるという法の原理をしっかり確認しておかなければならない。 (さらに言えば、集団化はそれ自体が階級闘争だということになると思います。それ抜きに、イニシアチブ抜きに集団化に乗れば、企業や官僚の牛耳る組織に変 質し、住民は排除されてしまうことになります) と書いたら同じ12日号の4面に宮城県知事の「水産業復興特区」構想が報道されている。民間企業も漁業権が得られるようにするという会社化案だ。宮城県漁 連の安部理事長は「漁協の根幹を揺るがす重大な事案、であり、再建に向けた漁業者の思いを逆なでされた」と抗議の談話。復興税創設提言といい、どうもこ の村井という知事は危険だ。