ツィマーマンのショパンの協奏曲といえば、ジュリーニ・ロスアンジェルス交響楽団かコンドラシン・ロイアル・コンセルトヘボウと思っていた。 両方とも立派な演奏でショパンのコンチェルトはこれで決まりと思っていた。他に小澤征爾とベルリン・フィルというのもある。
 が、今度の録音は初めて聞いた。
ポーランド祝祭管弦楽団といういかにも覆面っぽい名前のオケで、ツィマーマンが弾き振りしている。 普通の演奏の倍も時間がかかっている。第二楽章など、止まってしまいそうだ。それだけでもすごいが、中身はもっとすごい。まいった!
私が知らなかっただけで、1990年というずい分昔の録音ではある。 フレーズというより、一つ一つの音符に意味が持たされている。音が呼吸している。 ポーランドの大平原の地面から湯気が立ち上っている雰囲気だ。最近のテレビで流行りだが、飛行機の空中撮影でなくパラグライダーで地面を舐めるように飛びながら牛や馬や低い木立を点綴させる撮影法だ。
これだけの演奏を楽団に強制して、実現させる力量(マネーの力か?)には圧倒される。
 ある意味で日本人好みの演奏かもしれない。前を向いて進むのではなく、下の景色を眺めながら進行過程そのものを楽しんでいる。
あぁ、やっと終わった。付き合わされるだけでも、けっこうぐったりだ。 まぁ、そう何回も聞きたいとは思わないが。