赤澤史朗 「戦後日本の戦争責任論の動向」 立命館法学 2000年6号

宮田裕行 「戦後日本における戦争責任論」 千葉大学社会文化科学研究 2006年

を一応通読したが、正直いって相当うっとうしい。

こちらとしては「一体誰が悪かったんだ」というのを知りたいのだが、「戦後日本の戦争責任論」というのは、どうもそういうことを議論する場ではないらしい。ネット用語で言えば「スレ違い」だ。

最初からそういう問題意識を持って読めば、非常に深い内容がそこでは語られているのだが、ファクト収集の目的で飛び込んだ私には面食らってしまう。

そもそも論がこんぐらかってきた。我々が追求しようとしているのは、戦争犯罪なのかそれとも戦争責任なのだろうか。

客観的に見れば戦争責任を果てしなく拡大していくことは、果てしなく議論を拡散していくことになるし、結果として主犯者を免罪していくことに繋がる。

しかし平和を守る主体的責務との関係で捉えれば、過去に盲ることはできないし、その「共犯者」たる重みを後世に伝えていかなくてはならない。

その両方が共に大事なのであって、とくに後者の問題は教育と直結するだけにゆるがせにできない。

しかし、それを全面的に認めたうえであえて言うと、「我々の責任」論に埋没していて、真の戦争責任者を明らかにする作業が滞るのは、やはり本末転倒であろう。

それは戦争をする国を復活させようとしている勢力との闘いのさなかで営まれている論争である。何よりも、それを敵なし論として扱うことがないように望みたい。