小規模デイサービスの閉鎖が凄まじい勢いで広がっている。
赤旗が詳しく報道している。
まずこれが衝撃のチラシ
dayservice
ちょっとひとひねりしたチラシだから、分かりにくいかもしれない。
これが、札幌市や千葉市の小規模デイの事業所にFAXで送られてきているのだ。
「売れるときに売ってしまおう」というのは、要するに損を覚悟の投げ売りだ。そういう事業主がたくさんいるから成り立つビジネスだ。みんな一刻も早く、沈みつつある泥船から逃げ出そうと必死だ。
「現在、介護事業所を買いたいというニーズが高くなっています」というのは、ほとんどウソに近い。正しく書けば「現在、介護事業所を売りたいというニーズが高くなっています」だ。買うとすれば、更地か居抜きでなんぼかというハイエナ業者だろう。

先日の記事と一部ダブるが、今年4月の介護報酬改定を紹介しておく。
小規模デイサービスは要介護者で平均9.2%の大幅減。要支援の人は実に21%の引き下げとなる(要支援はいずれさらに引き下げ予定)。
職員体制に応じた加算があるが、小規模事業所はとても算定できない。
大阪での影響調査では、85%の小規模施設で平均12%の減。回答者の3割が「今後事業の縮小・撤退を考えている」と答えている。
つまり、この「業界」はすでに死に体なのだ。

赤旗はこのFAXの発信者に取材している。大手医療介護人材紹介業社の買取担当者だ(「M&A事業」というから笑わせる。人の弱みに付け込んで買い叩き、底値買いするアコギな商売だ)。
譲渡の申し込みは昨年の2~3倍に増えています。…理由は圧倒的に経営難で、全体の7~8割を占めています。
確かにこのところ雨後の筍のようにあちこちに、小規模デイサービスが増えた。「コンビニ潰れてデイとなる」という感じだ。これだけ一度にできると、中には「ウーム」というところもあるだろうと思う。
それはそれできちっとした監督が必要だ。悪質なものはそのうち淘汰されていくだろう、くらいに考えていた。何よりもニーズが有るのだから対応するのは当然である。

しかし厚労省の方向を見ると、小規模デイつぶしは大規模化を促す措置の一環と考えられる。はたしてそれが正しいのか、資金効率から言えば、それは逆だろう。
これはいまや世界の常識だが、日本の医療と社会保障を支えてきたのは開業医制だ。小規模でちまちまとやってきたからこそ、きわめて資金効率の高い医療システムが出来たのだ。

医療や介護の場面では経営的な意味でのスケールメリットはない。むしろ人件費の固定化が強力なデメリットになる。それは厚労省もよく知っているはずだ。ただし大規模化すれば、さまざまな監査の網をかけることができ、天下りのポストが増えることは間違いなかろう。
いまでも介護施設の書類の量たるや膨大なものだ。ケアの仕事より多いくらいの業務量になる。こういう書類を作らせて監査する人間のための仕事だ。こういう連中がいなくなれば、社会保険料は随分下がると思うが…