1.氾濫する憶測記事

“キューバ 国交回復”と入れて、グーグルで検索すると山のような記事にあたる。しかし数は多いが、中身は大同小異だ。

しかもうんざりするような話ばかりだ。

オバマの点数稼ぎ、政策転換により変革を促したい米国とか

経済苦境を解決したいキューバとか、ソ連なき後、孤立からの脱却を狙っているとか

これからキューバの人権問題が浮かび上がる、ビジネスチャンスを伺う産業界、

さらに言うなら、日本のメディアは本当はキューバなんかに興味はないのだ。欧米諸国でこのニュースがもてはやされるからお付き合いしているだけだ。

そういう連中の言うことを聞いていても、何の役にも立たない。

すみません。以後アメリカ・キューバ関係のことを米玖関係と書かせてもらいます。玖というのはキューバを漢字で書くと玖瑪となるからです。ちなみに米国というのはアメリカの漢字書きが亜米利加となるからです。

2.国際外交上の原則が確認された

なぜ米国交回復がそれほどまでに重大なニュースなのか。

まず言っておきたいこと、それは米玖国交回復が世界の外交の原則に関わっているからこそ、重視されているということだ。

それは経済封鎖という外交手段である。

これまでアメリカは国際外交の原則 を蹂躙し続けてきた。

それがもはや許されなくなった。そのことを明らかにしたから、その故に、このニュースは重大なのだ。

米国の側にどんな言い分があろうと、どんな歴史的経過があろうと、この外交原則は破ってはならないのである。

3.守るべき国際原則とは何か

それは国連の制裁解除決議に端的に示されている。去る10月28日には23回目の決議が採択された。反対したのは米国とイスラエルのみ。あの日本ですら賛成 しているのだ。

米国の対キューバ経済封鎖は、国連憲章、国際法、民族自決権、内部問題不干渉、国内政策の域外適用、自由貿易に反するものである。

ということで、やたらと引っかかっているが、根本的には「自由貿易の原則」の侵害なのであろう。

自由貿易は第2次世界大戦の反省の上に作られた原則で、弱者の保護を前提としつつもすべての国々の産業の基盤となっている。

問題は制裁という行為にあるのではなく、それを強大国が単独で、実力封鎖という手段で押し付けることにある。そのことが自由貿易の原則を著しく毀損することになる。

当然それは内政干渉にもなるし、民族自決権の侵害にもなる。これが米を除く全ての国の共通認識だ。

なお、日本のでは経済制裁(economic sanctions)と報道されているが、これはおそらくは意図的な誤訳であり、決議は取引禁止(Embargo)となっている。制裁は、どちらかと言えば“言うことを聞かせる”方に力点がある。せめて経済封鎖(economic blockade)というべきであろう。