国民総資産(gross national stock) の勉強

国民総資産は9294兆円(平成25年度末)とされ、米国に続き世界第2位となっている。今年の日本ハムのように、ソフトバンクにはとうてい及ばないが、他球団との関係では“ぶっちぎりの2位”となっている。

この国民総資産から総負債を差し引いたものを「国富」(正味資産)というのだそうだ。日本の「国富」は概ね3千兆円前後(対外純資産込み)で推移している。ということは金融資産=負債が6千兆円あるということになる。

人口1億とすると一人あたり3千万円ということか。ただしここに家計・企業・金融・公共の各部門がふくまれる。家計の総資産はこの内の1/3程度とされる。

「国富」は統計上は

1.生産資産である「在庫」、

2.「有形固定資産(住宅・建物、構築物、機械・設備、耐久消費財など)」、

3.「無形固定資産(コンピュータソフトウェア)」、

4.「非生産資産(土地、地下資源、漁場など)」

5.「対外純資産」

などからなる。金融資産はここにはふくまれない。

無形の文化資本などは勘定に入らない。


しかし、資産というのはあの貸借対照表の絡みで計上されるものであり、分かりにくいというより飲み込みにくいものだ。

竹中正治さんの記事(15年1月)から

NHKが「国民資産が前の年より7.2%増えて9294兆6000億円となった」と報道した。竹中さんはこれに噛みつく。

誰かの金融資産は別の誰かの負債であるから、国内での金融資産・負債は相殺してゼロになる。

株が上がっても、国債が大量に発行されても、それは貸し借りの関係が拡大しただけで、国富は増えない。

一国にとって意味があるのは、相殺されることのない非金融資産(主に土地と建物・設備など)と対外的な純資産(対外資産ー対外負債)だけだ。

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ということで会計学的にはすっきりするかもしれないが、これでは生産を引っ張り富を生み出す流動資産はすっぽり抜け落ちてしまう。簿価ばっかりの抜け殻のような指標になってしまう。

金融資産は、すべて貸し倒れになってしまえばチャラだが、実際にそんなことはありえないだろう。逆に、パブルで高騰した不動産(含み資産)がぺしゃんこになってしまう場合もある。

竹中さんには申し訳ないが、上図のイメージを踏まえたうえで、金融資産も含めた「国内総資産」を指標としていくことになるのではないか。