「この道しかない」はどんな道?

「国民連合政府」のアイデアが提示されて以来、赤旗は連日、各界の反応や有名人の感想を大量掲載している。

これらの報道を少し整理してみた。

「呼びかけ」の内容

まず構想の骨組みから

政府の正式呼称は「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」となっている。

9月20日、志位委員長名の「呼びかけ」だ。

「呼びかけ」は3つの柱からなる。ひとつは安倍政権打倒の闘いを進めること、二つ目に国民連合政府の樹立、3つめが、そのために共産党は候補をおろしますよということだ。

つまり二つ目の柱が「呼びかけ」の主要内容になる。具体的内容はただ一つ、

昨年7月1日の安倍政権による集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を撤回する

そしてその後は、もう一度解散し総選挙を行うことになっている。つまりこの政権は、選挙管理内閣(暫定内閣)としての性格を基本としていることになる。

中央委員会での「呼びかけ」の性格付け

これは志位委員長の個人的呼びかけではなく、そのために開かれた中央委員会(緊急)で確認されたものであり、党の公式決定だ。

したがって「呼びかけ」の性格付けについての知識が必要だ。

志位委員長はこう説明している。

この「国民連合政府」は綱領で言う「さしあたって一致できる目標の範囲」での政府に相当する。

この提案に対して17人が討論した。志位委員長は結語で、討論で出された質問に答えた。そのなかで中央委員の「強い覚悟と決意」を求めた。

「絶対あきらめない」を「選挙での勝利」へ

この日の国会前抗議運動から赤旗が参加者の声を拾っている。

腕を突き上げ、コールが次々に変わっていきます。「選挙に行こうよ」「デモに行こうよ」「安倍はやめろ」

成立を受け、参加者が思いを語ります。「悲壮感なんて全然ない。言うことはひとつ、賛成議員は落選させよう」

ということで闘争の最先端の若者の間には、すでに選挙へ心の準備ができつつある。ここが米国のオキュパイ運動との一番の違いだ。

野党共闘でも選挙協力でもなく「連合政府」だ

記者会見での質疑応答は、「呼びかけ」とメディアの考えをすり合わせる場となった。その意味で非常に重要な記録である。

直接ネットで読めるので、そちらにあたって欲しいが、とりあえず要点を上げておく。

1.「呼びかけ」は、国民の闘いに支えられて、5党1会派で積み上げてきた野党共闘の上に構想されている。(したがって野党共闘の確認点が出発点である)

2.閣議決定を撤回し、憲法解釈を戻すためには政府が必要だ。(戦争法の廃案だけなら政府樹立は不要だが、立憲制の破壊は回復できない)

3.「国民連合政府」は「国民的大義」である。安倍自公政権を打倒するためには、そこまで腹を固める必要がある。(そこの合意があって、はじめて選挙協力が可能となる)

4.「暫定的な性格」というのは、政府の課題が「戦争法の廃止・立憲主義の回復」のみで、限定的であるゆえである。(しかしそれは国政の根幹に係る課題であるために、「暫定」の幅については予測できない)

5.最大の“カギ”は国民の世論と運動だ。(挫折しない、挫折させない。人々の期待を裏切らない)


*()内にコメントしたのだが、国民連合政府の樹立の目的が、「閣議決定を撤回する」だけの目的のようにも取れる。うまく展開できないが、政府樹立の大目的は安倍内閣が戦争法成立のためにとったさまざまな違憲的手法(そのひとつが違憲法案の閣議決定)を撤回することであろう。それにより立憲制の回復が担保されることになる。