一応、最低限、追いつけたかなという感じだ。

アルツハイマーの研究はやっと足がかりがつかめたというレベルのようだ。

第21染色体にAPPの産生を司る遺伝子があって、それが傷つくと変なAPPができる。それがγセクレターゼという酵素で壊されてAβというカスが形成される。この中の一つが毒性を持っていて神経細胞を壊していく。あるいはグリア細胞が加担しているかもしれない。

さらに進んでいくと、神経線維の中のタウという蛋白も変性して、状況は一気に悪くなる。

その機序をカンタンに言えばこういうことだ。

遺伝子の問題は確かにあるが、誰でもかかる病気だから、きわめて特殊な遺伝子病とは言いがたい。

同じように、遺伝子が攻撃されるスローウィルスみたいな病気も考えにくい。

そうすると、APPの異常増殖よりは、出来たAPPの分解・排泄能力の低下のほうがメインと考えたほうが良さそうだ。

とくにα、β、γの三つのセクレターゼの働きの不具合が一つの鍵と思われる。α、βの方で頑張ってくれれば出来の悪いγなど出番はないはずだ。ましてグリアが出てくれば、インターロイキンだらけになる。益より害のほうがひどい。

私なら、なんとなくクラリス1錠とロキソニン半錠くらい続けてみたい気がするが、抑肝散をダラダラ使うより良心の呵責は少なくて済む。


それにしても、ネットの世界は根拠のない「認知症は治せる」だらけだ。「治せません」から出発するのがまっとうなはずだが。学会まで「抑肝散は有効」とエビデンスつきで認定している。エライさんの小遣い稼ぎの論文を内輪ぼめするような学会は信用してはならない。

この10年以上にわたって新たな発見はないのだろうか。ネット上にめぼしい文献はほとんどない。一番知りたいのがAPPは腫瘍なのか、それは腫瘍性(自律的)に増殖しているのかどうかということだ。そうでなければカスケード・セオリーは重大な欠陥を抱えることになる。しかし神経細胞の膜受容体蛋白が二次的に変性してAPPになっている可能性は否定されていない。