2月29日付朝日新聞(れんげ通信ブログ版より転載)

岩手県岩泉町の伊達勝身町長は、広域がれき処理について疑問を呈した。

現場からは納得できないことが多々ある。がれき処理もそうだ。あと2年で片付けるという政府の公約が危ぶまれているというが、無理して早く片付けなくてはいけないんだろうか。山にしておいて10年、20年かけて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。

もともと使ってない土地がいっぱいあり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこにあるのか。
 

J-cast ニュースはこの報道をフォローしている。

一方、被災地中最も多い610万トン以上(当初)のがれきを抱えた宮城県石巻市の担当者にきくと、がれき処理の遅れは「足かせ」になっており、広域処理への協力を「お願いしたい」と強調した。

注意しておきたいのは、石巻や釜石ではまだ仮置き場への集約が半分に留まっていることだ。つまり、分別・焼却以前の段階にとどまっているということであり、移送を云々する段階にはまだ到達していないということだ。


ということで、地域によりかなりの温度差がある。ニュースは次のようにも指摘している。

広域処理予定(約400万トン)は、全体の約2割程度でしかないことから、処理の遅れの理由は広域処理が進まないこととは別にある、との指摘も出ている。東京新聞は3月20日付朝刊で、「被災地での処理体制を見直すのが先決ではないか」と指摘した。

つまり、けっこう怪しいのである。


ただ、地元の声としてこういう要望があることを無視してはいけないし(誘導されている可能性もあるにせよ)、放射能の問題を理由に拒絶するのは(100%の見当違いではないにせよ)、地元の人にとって良い気分ではないだろう。

瓦礫受け入れを被災地との連帯の踏み絵にする議論は避けるべきだが、反対論を唱える人たちも、いまだ被災地の周囲に未処理の瓦礫が積まれたままであることを念頭に置き、拒絶的なものの言い方にならないよう慎重であるべきだろうと思う。

これはでっち上げられた不毛な争点である。反対とか賛成とか言う前に、そもそも問題設定の胡散臭さ、背後に垣間見える利権の影を衝くべきだろう。