前回、パキスタンの記事を書いていて気になったのだが、日本で帝国陸軍の参謀総長というのは、偉いといえば偉いのだが、軍のヒエラルキーのトップというわけではない。鈴木壮六とか金谷範三などといわれても分かりません。

それが最高権力者のようにあつかわれているのはなぜか、気になってインターネットをあたってみた。

まずはこの記事

パキスタンに「軍政」への足音高まる 米国も認める「キアニ陸軍参謀長」

これは「選択」という雑誌のネット版。かなり長い記事だが、要約を紹介する。

①タリバンのテロ攻勢は、パキスタン領土内でも激しさを増してきた。

②ザルダリ大統領=ギラーニ首相の文民政権は、発足二年目に入って、早くも危機管理能力が問われはじめた。

③タリバンの勢力拡大に対する現政権の対応が限界に達した場合、軍事政権が登場するシナリオは十分ある。

軍には、国民から強い信頼を集める人物が存在している。アシュファク・キアニ陸軍参謀長だ。

⑤父はパンジャブ州の中級公務員。ムシャラフ前大統領と同様にジョージア州フォートベニングの陸軍歩兵学校に留学、米軍幹部との友好関係を持つ。

⑥軍情報機関(ISI)のトップにいた経験から、タリバンの内情に詳しく、米政府に対する影響力も強い。

キアニ参謀長 がいま注目されているのは、タリバンとの「一時停戦」という判断だ。

①ペシャワールの北八十キロにある北西辺境州(NWFP)の観光地、スワット渓谷では、タリバンの進出が目覚ましい。アルカーイダのテロリストもタリバンに変装して潜入しているとの情報もある。

②軍は監視ポストを設け、戦闘態勢に入ったが、戦況は一向に好転しない。タリバンは政府軍寄りの住民 を拘束し、見せしめのために殺害している。新婚旅行の名所とも言われた観光地は、殺戮の戦場と化してい る。

③地元州政府は昨年二月からタリバンと停戦交渉に入った。軍はこの地域での戦闘を一時見合わせ、州政府の停戦交渉を見守ることとした。

④アフガニスタンでNATO軍部隊が掃討作戦を展開する中、パキスタン側がタリバンとの交渉を始めたのは異例である。交渉の背後にキアニ参謀長がいることは疑いない。

⑤タリバン側は、「シャリア法を認めるなら停戦に応じる」という条件を出し、昨年4月、州政府はこれを受け入れた。ザルダリ大統領もこの協定に署名した。(タリバンの言う“シャリア法”は、 女子の労働や勉学の禁止など、女性の人権を侵害する前近代的なもの)

⑤キアニ参謀長のねらいは、タリバンの穏健派と武闘派を分断し、タリバンの陰に隠れるアルカーイダを「炙り出す」ことにある。オバマ政権もこの作戦を受け入れ、クリントン国務長官が「穏健派タリバン との交渉もありえる」と発言している。


Kiani で引いていたら下記のページがでてきた。

Tuk Tuk - Hadiqa Kiani

ボリウッド映画風の踊りが入って、軽い乗りで、ええです。

この動画のコメントが面白い。

Oh my god.Hadiqa went the bollywood route too. The indianization of Pakistani society is so sad and deplorable

察するに、パキスタン国内では相当の人気歌手のようです。いまだに片意地張っているが、インドの成功を妬んでいる国粋主義者から襲われなければよいが…