3月26日にマリで起きた軍事クーデター。理由が分からずにいたが、原因は北部の戦闘が不利な中で、困難な戦いを強いられた軍が反発したもののようだ。
単純な権力争いの図式でないだけに問題はむしろ深刻だ。
なぜ苦戦を強いられているかというと、北部の反乱勢力はカダフィの傭兵あがりで滅茶苦茶強いのだ。しかも敗残兵で気が立っている。
マリの北部は二ジェル川流域のわずかな地帯を除けば全土が砂漠、遊牧民トゥアレグ族の本拠地だ。こういう勇猛な部族に最新鋭の武器を持たせたらどうなるか、とても貧乏国の政府軍の手に負えるものではない。
トゥアレグ族は北部の独立だけを求めており、全土の制圧は狙っていないようだ。正直言って独立認めたほうがよさそうだ。ただし経済的に自足できるような場所ではなさそうだから、経済的な結合は保つほうがよいだろう。
武器の力だけで一時的な支配ができても、それを持ちこたえることは出来ないだろう。弾薬が尽きればそれで彼らの命運も尽きることになる。

国際社会はカダフィの再現を許すことにつながる新「国家」を承認すべきではない。