池上彰のニュースそうだったのか!! 2時間スペシャル
放送日時
2015年9月5日(土) 18:56 ~ 20:54
番組概要
1日本がスパイに狙われている!?…先日アメリカのNSAが日本政府・企業を盗聴しているとのニュースが…なぜ同盟国に?その狙いとは?
【スパイの今と昔】
 先月、アメリカの情報機関NSAが日本の政府や大企業の電話を盗聴していたと内部告発サイトのウィキリークスが暴露し、日本に衝撃が走った。盗聴内容は アメリカを含む5カ国で共有されている可能性があるというが、アメリカは同盟国の日本をなぜスパイの標的にしたのか? 戦時中には勝敗を分けるとも言われ るスパイ活動の驚くべき歴史を紐解きながら、現在も世界的規模で行われているスパイ活動の目的と実態に迫る。


・カストロ,危機一髪

 今度の暗殺計画は一番成功に近かった作戦でした.キューバ国内にカプセルを持ち込む「運び屋」には,買収されたスペイン外交官ベルガーラがあたることになりました.ベルガーラは外交特権を使って警備の網を潜り抜けます.毒薬カプセルが再び持ち込まれました.

 トニーの「救援隊」はまだ健在でした.ベルガーラは救援隊のカソを呼び出しスペイン大使館内でカプセルを渡します.カソはホテル・ハバ ナ・リブレを暗殺の場に選びました.ハバナ・リブレはキューバ最高のホテルで海外の賓客が宿泊することも多かったのです.館内には接待に赴いたカストロが しばしば立ち寄るビュッフェがありました.カストロはそこでアイスクリームを食べるのが楽しみだったといいます.

 恰好なことにホテルのバーテンダー,サントス・ペレスは救援隊の秘密隊員でした.カソはペレスにカプセルを渡しアイスクリームにこれを混ぜるよう指示しました.ペレスはこれを冷凍庫に隠します.準備万端整いました.あとはカストロが来るのを待つばかりです.

 結局この計画も失敗に終わりました.別に当局に察知されたわけではありません.ペレスをはじめとするハバナ・リブレ内の反革命分子が摘発されたのは,それから2年半も経った64年末のことです.彼らの自白から恐るべき計画が明らかになったのです.

 現にチャンスはあったのです.外国のゲストにあいさつするためホテルを訪れたカストロは,くだんのごとくビュッフェに立ち寄りアイスク リームを注文しました.注文を受けたペレスは冷凍庫の扉を開け,ふるえる手でカプセルを取り出そうとします.ところがなんと容器は冷凍庫のなかで凍結して しまっていたのです.ごりごりこじってもすぐには剥がれそうにもありません.もちろんいつまでそうやって遅くなれば怪しまれます.この瞬間ペレスは実行を 断念します.

 こういうことは一度失敗するともうダメなのでしょうか.ペレスたちはすっかり怖じ気付いてしまいカプセルをトイレに流してしまいました. それにしてもピッグス湾のときのトニーの「失踪」とか冷凍庫の失敗とか,カストロ暗殺計画にまつわるさまざまなエピソードにはなにかブラック・ユーモアを 感じてしまいます.

むかし森山加代子の歌で、「月のキューバの、夜のことよ、甘い恋の囁き…」というのがありました。

Lobby of Tryp Habana Libre

奥のガラス張りの部屋がメイン・ダイニングなので、多分その中にビュフェコーナーがあるのではないでしょうか。一見綺麗ですが、なにせ築50年ですから相当ガタが来ているはずです。郊外にきれいな新築ホテルができているので、そちらの方をおすすめします。よんどころなくお泊りの方はまずエアコンと水回りをチェックしてください。ただし20階以上の海側はすべてを補って余りある眺めです。