国際商業会議所(ICC)の日本委員会というのがあって、そのサイトに「仲裁手続に関するQ&A」というページがある。

目次を見ただけでげんなりするほどの説明がある。

一応さらっていこう。

調停と仲裁の違い

調停は、紛争解決の内容を決定する主体が当事者である。通常は、調停がうまくいった後、「和解契約」となる。(調停人などの第三者の協力はある)

仲裁は、判断の主体が第三者である仲裁人(仲裁廷)である。当事者は、仲裁に合意した以上、仲裁判断の内容に拘束される。

仲裁判断に従わない場合、仲裁判断を根拠として強制執行を行なうことができる。

これらの国際法的根拠として、「仲裁判断の承認と執行に関する条約」(ニューヨーク条約)がある。

仲裁の主体

仲裁裁判所(Court of Arbitration)自身は仲裁を行なわない。実際に仲裁手続を主宰し、仲裁判断を行なうのは、仲裁廷(Arbitration Tribunal)である。

仲裁廷を構成する仲裁人の人数は、1人又は3人のいずれか。当事者の合意によって単独仲裁人が指名されることもあるが、普通はICC仲裁裁判所が仲裁人を選定する。

仲裁の申立ては仲裁裁判所事務局(Secretariat)に対して行われ、事務局が具体的な運営にあたる。

仲裁のための準拠法

仲裁廷が適当と認める法規を適用する。仲裁廷は当事者間の契約条項及び関連する取引慣行を考慮する。

仲裁手続については仲裁裁判所の「仲裁規則」に従う。

欠席審問も可能

審問の開催にあたり、適切な呼出しがされたにもかかわらず、正当な理由なく当事者が出席しない場合には、仲裁廷は審問を進める権限を有する。

ということで、とくに最後の「欠席審問も可能」というのは、それだけでは詳細不明だが、ちょっと怖い項目だ。


結局、国際仲裁機関に関する階級的視点を明らかにする文献は見当たらなかった。

国際化に伴う新たな紛争をどう解決していくのかは、たしかに重要かつ緊急な問題だ。

これに国際ルールを付与し、場合によっては強制力をもたせることもたしかに必要だ。

力と力のぶつかり合いでは戦争になってしまう。これを平和的に話し合いで解決していくことは必要だ。

しかし、しかしだ。

民間機関が国家権力を超えるような強制力を持つというのはちょっとおかしいのではないか。

しかも三つの仲裁機関はアメリカとイギリスとフランスが占有している。(シンガポールには出先機関があるようだが)

それらはアメリカ流、IMF・世銀流の商慣行を押し付けることになる恐れはないのか。

もっと言えば、それらの機関はアメリカの世界商取引に対する支配を後押しする機関として機能する危険性はないのか。

私は最低限それらが国連の統制下にある半公的な機関として位置づけられるべきではないかと考えるが、いかがであろうか。