YouTubeに初めてアップロードした。
初めてとあって、なかなか面倒だ。
まずはウィンドウズのダウンロードから何やらかんやらというソフトのセットをダウンロードした。
その中にムービーメーカーというソフトがあってそれだけ欲しいのだが、そういうわけには行かなくて、余分なものまで全部揃いで落とした。これが結構時間がかかる。
それでムービーメーカーというソフトを立ち上げて、そこにまず適当な写真を入れる。
写真をはめ込むと、次に「音楽をつける」というボタンを押す。そこで何を入れるかという画面が出て、そこに音楽ファイルを入れる。ほとんど手持ちはYouTubeから落として剥ぎとったAACファイルだが、AACは面倒そうなのでMP3に変換していれた。
それだけでもアップできるのだが、デフォールトだと静止画面は30秒ほどで切れてしまう。そこで「音楽の長さに合わせる」を選択すると、音楽がなっているあいだ画面が流れ続ける。これで完成だ。
これを動画ファイルとして保存する。これが結構時間を食う。
つぎに、YouTubeのホームを開くと、右肩に「アップロードする」というボタンがあるのでそこを押すと画面が出てきて、後は指示されたとおりに操作していけば完了だ。
つまり動画ファイルを作るまでがなかなか難しくて、出来上がってしまいさえすれば、後はさほどの苦労はない。
ということで、出来上がったのが「Sibelius Trial」というファイル、URLは以下のとおり。
https://www.youtube.com/watch?v=ND1CiD_Ndmw
時間は14分41秒。何故かと言うと、15分を越すといろいろ面倒な手続きをしなければならないようなので、という簡単な理由。
なぜこれをアップしたかというと、Audacity という“音質改善ソフト”のデモンストレーションである。
以前の記事で、Bughead Emperor について書いた時に「お化粧ソフト」と表現した。たしかに音は綺麗になるが、それは高性能だからではなく、原音にお化粧するのではないかと考えたからである。
このSibelius Trial の原音は以下のものである。
Sibelius - Symphony n°7 - Cleveland / Szell live
Live recording, Helsinki 23.V.1965 とのコメントがある。
必要な音はすべて入っている。しかしモノーラルであり、最強音が飽和している。全体として音がくぐもっている。しかも全体の音量と近接マイクのバランスが何とも不細工だ。
原音がおそらくエアチェックで、時代から考えるとAM放送の音源の可能性もある(AMというのは帯域を広く取れば意外にいい音なのだ。むかしはそういうチューナーがあった)。しかもアップロードの際の音量が大きすぎる。
しかしそれを乗り越えるほどの演奏である。セルとクリーブランドの最盛期のものだ。しかも本場に乗り込んでのライブだから力が入っている。いわば「お宝」音源だ。
そこで、とりあえず聴きやすくしてみようと思い立った。
やったのは以下のことである。
1.ノイズの除去。これで音のくぐもりはとれる。しかし間接音のかなりが失われる。
2.Clip Fix。これで飽和して失われた音が擬似的に回復される。しかしこれで回復されるのはせいぜい半分くらいである。これをやると音が硬くなりキンキンする。
3.ノイズの除去をすると間接音が失われるので、どうしても音はデッドになる。そこでGverbで残響をつける。Gverb の調整についてはいろいろな人が書いているので、それを参考にした。なおAudacity の最新版ではGverb が外されているので、サイトから拾ってくる必要がある。
4.それから疑似ステレオ化を行う。これはステレオトラックを一旦左右に分離して、片方のチャンネルの出だしを少しだけ削って時差を作り出す方法である。人間の耳はいい加減なので、これをステレオと感じてしまう。この効果は抜群なので、これだけでもいいくらいだ。ただしこのファイルはやり過ぎである。(効果を強調するため)
5.最後に圧縮を行って、音量を適正化する。
以上の処理を行ったのが、わたしのアップした“動画”である。
両方を聴き比べてみると、聴きやすさはずいぶんアップしている。しかし、原音にふくまれていた“雰囲気”はずいぶん失われてしまっている。この辺りは素人の限界なのだが、おそらくノイズの除去をどの程度までやるか、どこで我慢するかで変わってくるのだろうと思う。
いずれにしても自分でAudacity をいじってみると、いわゆる「高音質音楽ソフト」は何かをやらかしているに違いないと思う。
むかし、中学時代の同級生の女の子が同窓会で会うと見違えるほどの美人になっていて、びっくりしたおぼえがある。今や眉を剃って墨で描いて、アイシャドウを入れてつけまつ毛をつけるだけで、変身できる時代なのだ。ましてや聴覚など、だますのはいとも簡単だ。
ダマされないように気をつけるか、ダマされる快感をだいじにするか、そこはあなたのお好みしだい…ということになる。ただ、それを「高音質」と呼ぶのは羊頭狗肉のたぐいであろう。高音質というのはブスはブスらしく忠実に再生することのはずである。