26日に調布飛行場を離陸した直後に飛行機が墜落した。この事故は都市型小規模飛行場の運用について色々考えさせられた。
共産党都議団は自己原因の徹底究明と再発予防にとどまらず、以下の5項目提案を行っている。
1.当分のあいだ自家用機の離着陸制限
2.飛行場祭りの自粛
3.レジャー、操縦訓練、慣熟飛行の禁止
4.国の責任で、飛行管理体制、機体の保守管理対策の強化など
5.将来的には調布飛行場の閉鎖。その際に伊豆諸島便の飛行場確保
実は私の家も丘珠飛行場のすぐ近くで、飛行場に着陸する定期便が窓から眺められる。
丘珠も調布と同じでむかしは畑のど真ん中だった。後からそれを承知で家を建てた方にも多少の責任はあるかも知れない。しかし丘珠の話はいずれ考えよう。話は自衛隊やジェット化などはるかに複雑だ。
調布の飛行場は、近未来的な問題をはらんでいる。すなわち空の交通の大衆化だ。モータリゼーションなならぬエアリゼーションへの対応だ。
その点では無人機問題と同じ性格を持っている。
1.個人的な目的での空の利用がどこまで許されるのか。
2.市民は自分の生活空間の安全性、快適性に関する権利をどこまで主張できるのか
3.市民は事故のリスクをどこまで受忍しなければならないのか
4.地権、居住権は地下あるいは空中という垂直方向にどこまで及ぶのか

「なかなか難しいですね」と澄ましておくわけにも行かないのだから、共産党の提案は当然であろう。
しかしレジャー飛行、訓練の中止は良いとして、飛行場閉鎖とまで言われると、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」みたいに聞こえてしまう。そこまで踏み込む理由は何であろうか。

ウィキペディアの最後の段にこう書かれていた。
住宅地に隣接しているため、近隣住民に配慮し年間の離着陸回数に上限を設けているほか、遊覧目的の利用は認められていない。
また機体の更新を認めないという東京都独自の規制の結果、調布飛行場を利用する機体が老朽機ばかりとなっている。
つまりもともと東京都としては、調布飛行場はいづれ安楽死させる腹づもりだったようだ。共産党提案でレジャー飛行の禁止となっているが、そもそも遊覧飛行は認められていない。「慣熟飛行」の名でモグリ営業が行われていた可能性はある。
コミュータ空港といえば気軽さが売りであるが、気軽に利用するには、調布はあまりにリスキーなロケーションということになろうか。