2009年

3月 東芝、リーマン・ショックで2500億円の営業赤字に転落。

6月 佐々木則夫氏が原子力部門から社長に就任。携帯電話や中小型液晶の不振事業を売却する一方で、原子力発電事業と半導体の2本柱に力を集中。

2011年

3月 東日本大震災と福島原発事故。佐々木社長の出身母体の原子力部門が大きな打撃を受ける。佐々木社長は高水準のコスト削減で経営改善を目指す。

2013年

6月 田中久雄氏が社長に就任。西田会長は佐々木前社長を副会長に棚上げし、自ら会長にとどまる。佐々木前社長は経団連副会長に就任。

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左から西田厚聡相談役、田中久雄社長、佐々木則夫副会長

2014年

6月25日 西田会長が相談役に退く。後任会長には室町正志取締役が昇格し、佐々木副会長はそのまま副会長に留まる。


2015年

1月 証券取引監視委員会(SESC)に、不適切な会計処理の内部通報。

「佐々木前社長時代に、インフラ関連事業で不正な会計処理があった」という内容の電話が、情報提供窓口に掛かってきたとされる。

2月12日 証券取引監視委員会、東芝に対し会計処理の精査・報告を命令。

4月3日 東芝、「不適切会計」の疑いで精査中と発表。「当社の2013年度における一部インフラ関連の工事進行基準に係る会計処理について、調査を必要とする事項が判明いたしました」

4月3日 社内で室町正志会長をトップとする特別調査委員会を設置。日本弁護士連合会のガイドラインに基づく「第三者委員会」の形態は採用せず。

調査対象は『電力システム社』『社会インフラシステム社』『コミュニティ・ソリューション社』の社内カンパニー3社だったが、調査開始後「不適切会計」が湧くように噴出した。

東芝カンパニー

5つの事業グループ、7つの社内カンパニーがある。各カンパニーに総務・人事・経理スタッフが在籍し、経営指標や決算書などを作成、本社に報告している。カンパニーのトップは経営の権限が与えられ、専業・独立企業化が図られている。


2015年5月

5月8日 東芝、3月期連結決算の公表を6月以降に延期すると発表。期末配当は見送りとなる。

東証の規定では、6月末までに有価証券報告書が提出されないと、「監理銘柄」に指定される。7月末まで提出できなければ上場廃止になる。

5月8日 特別調査委員会、インフラ関連事業の工事進行基準案件で、「原価総額が過小に見積もられていた」ことを明らかにする。

5月8日 東芝、特別調査委員会の報告を受け、2015年3月期業績予想を取り下げ、3月期連結決算の発表を延期。あわせて期末無配を発表。

5月11日 東芝株は取引開始直後から売り注文が殺到し、ストップ安となる。(最終的に513円から375円に下落し、東芝が失った株式時価総額は約2700億円に達する)

5月13日 東芝、特別調査委員会の中間結果を発表。社内3社の9件の工事案件で、原価の過少見積が総額500億円強に上っていると明らかにする。

2012年3月期から14年3月期までの3年間にわたる過年度修正(減額)が見込まれる。また不正の原因として「予算達成目標の位置づけが高かった」ことを挙げる。 「週刊東洋経済」2015年6月13日号より

朝日新聞より

9部門
5月15日 田中社長が深夜に緊急記者会見。不適切会計の件数が9件に及んだと公表。財務報告内部統制の訂正報告書を提出する方向を示す。役員報酬の一部返上を表明するが、 「財務報告の内部統制が機能していなかった」と述べ、意図性は認めず。

5月15日 東芝、「第三者委員会…に関するお知らせ」を発表。特別調査委員会は5月中に調査結果を第三者委に報告し、資料などを引き継いで解散することとなる。

5月15日 社内中心の特別調査委員会に代わり、第三者委員会(委員長・上田広一元東京高検検事長)による調査が開始される。(第三者委員会メンバーの中立性については疑問の声あり)

5月22日 東芝、第三者委員会の調査対象を、テレビ・パソコン・半導体などほぼ全事業に拡大すると発表。不正会計審査の期間は2011年3月期からの5年間に拡大する。

5月29日 田中社長の記者会見。金融商品取引法が定める有価証券報告書の提出期限の2カ月延長を関東財務局に申請すると表明。第三者委員会の調査結果を待って、9月に臨時株主総会を開くと発表。

5月30日 財務当局と東証、提出期限の2カ月延長を承認。8月末を新たな期限に設定する。これにより「上場維持」が認められ、株価下落に歯止めが掛かる。

2015年6月

6月1日 東京証券取引所の上場企業で、社外取締役2人以上の選任が義務付けられる。コーポレートガバナンス(企業統治)の透明性と健全性を高める狙い。

6月初め 米有力法律事務所(複数)が、今回の「不適切会計」問題発覚後の株価下落で損害を被った株主に損害賠償訴訟への参加を呼びかける。

6月12日 東芝、特別調査委員会の調査結果(「自主チェック結果、特別調査委員会の調査概要及び第三者委員会への委嘱事項との関係についてのお知らせ」)を発表。これまでの9件に加え、新たに12件(総額36億円)の不正処理が明らかになる。販売促進費などの計上の先送り、在庫の評価減、棚卸資産に関する不適切処理、委託先との取引の不適切処理などがありうるとし、第三者委員会に精査を委託。

週刊東洋経済より

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6月25日 東芝の株主総会。田中久雄社長は証券取引等監視委員会の検査を受けていたことを明らかにする。3月期決算は保留され、期末配当は無配となる。取締役16人の残留、9月の臨時株主総会開催で了解をもとめる。

財務責任者報告で明らかにされた数字: かさ上げ額は合計548億円。インフラ関連工事9件で原価総額を低く見積もることで、営業利益を512億円かさ上げ。広告費や在庫の費用・損失計上の先送りで36億円の利益かさ上げ。

2015年7月

7月4日 第三者委員会の調査で、過大に計上した利益が、1500億円規模に達することが明らかになる。

7月8日 第三者委員会の調査で、営業利益のかさ上げ額が最大2000億円規模に膨らむことが判明。

不適切処理の具体的手口: (1)納入業者への支払いを翌期に付け替えし、利益を先取りする。(2)部品を委託先に一度売って、完成品を買い入れ、完成品 在庫を増やす。これにより一時的に部品を売った利益が上乗せされる。(3)半導体の原価が下落しても、コストに反映させず、利益を過大に計上する。
またテレビの費用計上、半導体の在庫評価、パソコンの部品取引などすべての分野でかさ上げ。損失に備えた引当金の未計上、具体的な裏付けがないコスト削減策のくりこみ、販促費や広告費の経常先送りなど、意図的な会計操作が疑われる。

7月8日 東芝、主要取引銀行に対し最大6千億円の融資枠設定を打診する。

7月9日 第三者委員会、佐々木前社長の指示・関与を認定。佐々木前社長は退任の意向を明らかにする。
佐々木前社長は、予定通りの利益を上げられない部署に、会議の場やメールで「工夫しろ」と指示していた。社員らは、発言を「会計を操作しろ」という趣旨だと受け止めた。

7月9日 東京証券取引所で、東芝株は一時365円80銭まで下げ、年初来安値を更新する。


7月10日 第三者委員会の調査で、田中久雄社長が業績改善を強く促していたことが判明。

田中社長は各事業幹部に対し、早朝に電話をかけて「何で予算を達成できないんだ」と迫ったり、メールで「売上高をもう少し上げろ」「利益を早く上げろ」などと要求した。月々の利益が計画に達していない担当者を強い口調で「工夫しろ」と指示した。


毎日新聞解説記事より「東芝の営業損益の推移と歴代社長」

毎日 東芝

7月11日 東京証券取引所が、東芝を管理体制の改善を求める「特設注意市場銘柄」に指定する見通し(読売新聞)