クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

ここのサイトの作者は、私にとってはまさにエヴァンゲリスト(伝道者)のような人です。多分私よりは10歳位若い方のようですが。

その作者が、実はジョージ・セルのフリークなのです。

こんなオード(賛辞)が書かれています。

セルはオーケストラのメンバーが常に他のメンバーの音を聞きあうことを要求しました。それは、特定のスタープレーヤーが突出した響きを聞かせることにはなんの価値も見いだしていなかったからです。
セルが求めたのは響きが完璧に均質化されたオーケストラでした。
それは、一見すると個々のプレーヤーが100点満点の精一杯の演奏をするのではなくて、少しレベルを落としてもいいので全体にバランスを大切にしたように聞こえます。
しかし、現在の再生システムでセルの演奏を聴くと、セルが求めたのはそんな生易しいものでないことが手に取るように分かります。
疑いもなく、個々の楽器は完璧に鳴りきっています。
まさにフルスイングしています。金管楽器だって力の限り吹いています。
誰一人として、まわりの様子を窺いながら「当てに」行っているような雰囲気は微塵も感じません。
それでいながら、オケ全体は極めて高い透明性を保持しています。…

セルの率いるクリーブランド管はどんなときでもフルスピードでコーナーに突っ込んでいきます。
そして、時には危ういラインで何とかクリアしているような場面も珍しくありません。しかし見るものの心を熱くする走りは決して小綺麗な走りではなく、そのような勇気と気迫あふれた走りの方です。 

うまい言い方をするものです。

なんというか、彼ほどの指揮者はいなかったか、いた。彼ほどのトレーナーはいなかったか、いた。しかし両方を兼ね備えた人はいなかった、ということになるのではないでしょうか。

ロンドン交響楽団を振ってもいいし、コンセルトヘボウでもベルリン・フィルでもいいのだが、それは他の誰かでも良い。セルとクリーブランドは一体であり、それは音楽史上の奇跡なのでしょう。