トカゲでは気温が上がるとメスが増えるのだそうだ。
オーストラリアのグループが「ネイチャー」誌に発表された論文で明らかになった。
順を追って話すと、
対象となったトカゲはオーストラリアに野生する「フトアゴヒゲトカゲ」で、体長50センチというからかなりの大型。
これを片っ端から捕まえて、性染色体を調べた。
すると、性染色体はオスなのに見た目はメス というものが20%もいたというのだ。
報告の内容はそれだけ。
そこで、なぜそうなったのかという考察。
じつはこの現象は、実験室レベルではすでに確認されており、今回の発見は、それが自然界でも起きていることが確認されたという話だ。
それが「温度依存性決定」と呼ばれる現象である。
これは卵が孵化するときに、外気温によって雄になるか雌になるかが決まるという現象で、トカゲをふくむ爬虫類で見られるのだという。
孵化実験では、32度以上になると、性染色体が雄(XY)の場合でも雌になるのだそうだ。
「何故?」という話は分からない。

記事はここから環境問題に移行してしまう。
地球温暖化はオスを減らし、ついには種の存続に影響が出るのではないか、という話だ。

しかしその前に片付けておく話がありそうだ。
温暖化というが、32~36度というのは実は卵にとっては快適な気温ではないか。人間は出生直前までの1年近くを36度に保たれた胎内で暮らしている。
むしろ、快適化が女性化をもたらすと考えるべきかもしれない。安定した環境のもとで男性的なものは必要ない、交配によって変化をもとめる必要もない。
だから、ぎゃくに外気温32度を切ることによって、男性の“男性化”が誘発されると見るべきかもしれない。もちろん、もっと気温が低くなれば孵化は不可能となる。
要するに言いたいのは、両性への分化というのはそれ自体が厳しい生活環境に対応したものではないかということだ。種族全体としての多様性を維持発展させ、種の存続を図る機転として捉えるべきかもしれない。
とすれば女性化はその種にとって幸せなことである可能性がある。