ギボシムシの文書は非常に分かりやすいので、原文をそのまま読んでもらえばいいと思うが、一応、要点を箇条書きにしてみた。

脊索は脊椎動物の脳の形成に不可欠の構造です、
半索動物(ギボシムシ)にある口盲管という構造は、脊索と類似した特徴をもっており、その進化的な起源とも考えられています

口盲管の発生過程の観察ができれな、脊索の起源に迫れるはずです。今回の研究はそれを実現したものです。

というのが謳い文句。つまり口盲管というのがキーワードになっている。

多細胞動物

背景などは省略して核心的事実だけ述べると、

1.ギボシムシは成体に変態するときに神経管類似の神経組織が形成される。

2.この時、口盲管にHedgehog という分泌性の因子をコードする遺伝子が発現する。これを受けて襟部の神経細胞が管状に発達する。

3.管状の神経の腹側と背側には異なる神経細胞が分化する。

成体

横断面

それで単純にそれが脊索(神経管)に発展していくかというと、そうとばかりも言えないようだ。

支持する傍証としては、脊索動物でもHedgehog は存在し脳の分化を制御しているという事実がある。

矛盾する傍証としては、Hedgehog ではなく「ピゴコード」という構造が脊索の起源になっているという論証がある。

ということであり、にわかに話はややこしくなる。


これ以上は「口盲管」、「襟部神経」、「神経胚」などについて少し勉強しないとついていけないようだ。