昨日(もうじき一昨日になる)、新さっぽろの店で「獺祭」の純米大吟醸を飲まされた。
飲む前に散々講釈を聞かされた。店主は正直な人で、値段をばらしてしまった。
懇意の卸から「獺祭」の純米大吟醸が入ったと聞かされて、2本注文した。買値が1万2千円だったそうだ。それを1合2千円で売りだした。たしかに営業リスクを考えれば元の取れる値段ではない。しかしそれ以上ではさすがに売れないだろう。だから講釈付きにならざるを得ない。
昼過ぎに馴染みの女性客が口開けして、私が二人目だそうだ。私は「いいよそんな貴重な酒、私の如き一見さんが飲まなくても…」と断りかけたが、連れの連中が飲みたそうにしているので、「それじゃ、一杯だけ」と言って注文して、一なめした後、回し飲みに回した。
どうもそういう銘柄が多すぎる。
古くは越乃寒梅に始まって、地酒の店にもてはやされる酒が次々に生まれる。
正直言って、私はほとんどアル中の域に入っている。久里浜病院のクライテリアでは重症の部類に入る。だから、たまに飲む人と違って、うまいまずいのレベルは相当厳しいのだ。
勝負は1升2千円、2千円を切ると安くて旨い酒、2千円を超えると高いが旨い酒、3千円を超えると贅沢な酒ということになる。ただし3千円以上は1升換算ということで4合瓶で言うと2千円、1升だと5千円に相当する。それでもワインを考えれば随分安いものだ。
3年前に静岡の「正雪」(4合で2千円)を飲んで飛び上がったおぼえがある。特別に出来が良かったのだろう。次の年は普通の酒だった。
それ以上は酒ではなく贈答品だ。
残念ながら日本酒は落ち目だ。はっきりしている。デフレ時代の象徴だ。だから10年前より安くなっている。買い手市場になっているからだ。おそらく原価ギリギリになっているのではないだろうか。
灘や伏見の酒造会社は目の前のカネ欲しさに投げ売り状態だ。特級酒が税込み1800円で買える。驚いたのはイオンで玉乃光の純米吟醸が2千円を切っていることだ。以前は消費税5%で2500円は下らなかった。
いまや、毎日の晩酌は玉乃光、それがなければ菊水の端麗辛口だ。
家で飲めば1合200円、これが地酒の店に行けば多分500円位はとるだろう。ということで、私のそこそこの基準は1杯500円だ。
話が飛んだが、獺祭の純米大吟醸、ちょっと雑味がある。飛び上がるほどうまいというシロモノではなかった。趣味の問題もあろう。好みが鷹勇と大七という人にはちょっと合わないかもしれない。