モーツァルトのピアノ協奏曲はペライアだけで十分だ。なぜならきれいなだけでいいからだ。
モーツァルトなんてのは、本来誰でもいいので、さほど技巧的に難しいわけでもない。
ただ良い響きを出すにはピアノの音をほんのちょっと遅れ気味に出して、その分膨らみを持たせる必要があるのだが、そのズレ具合が何とも言えず良いのである。これはプレヴィンの演奏にも通じる。
ただピアノソナタになるときれいなだけではダメで、塩味や構成力ももとめられるから、むしろペライアは敬遠されることになる。
ゲザ・アンダもいい(とくにオケがいい)のだが、録音がちょっと古い分音が痩せる。その分ちょっと厳しい響きになる。