最近はデモのシュプレヒコールも変わって来て、短いのがはやりのようだ。
たしかにそのほうがいいと思う。
昔も沖縄を返せとか安保反対とか短いのが良かった。
短いと、それだけに、結構モメることもある。
沖縄闘争では、返還協定反対なのか、返還協定粉砕なのか、でやりあった覚えもある。
しまいには、粉砕というと「新日和見主義」だということになった。
途中から変わったのもある。最初は安保破棄だったが、いつ頃からか「安保条約を廃棄せよ」と叫ぶようになった。こちらは手続き問題が出てきてからで、「破棄」も間違いではないとされていたようだ。今でも中実委は「安保破棄・諸要求貫徹」ではなかったかな。
ニヤッとしていたのが憲法スローガンで、社会党系は護憲だったが、共産党は憲法改悪阻止を掲げていた。つまり改悪は駄目だが改正は良いということだ。
その後、共産党も現憲法擁護に変わったが、「護憲」という言葉はあまり使わない。「憲法を守れ」だ。どっちでもいいようなものだが、専売特許でもあるのだろうか。
使わないといえば、「革新」という言葉も最初は使わなかった。それは理由があるので、戦前の軍内極右派が「革新」を名乗っていたからである。共産党は革新ではなく「民主」という用語を多用した。私は、これは今でも正しいと思っているが、その後統一の立場からか「革新三目標」など革新も用いるようになった。ただ「革新」という言葉そのものが、いまは摩耗しかけている。

ということで、現下のシュプレヒコールは何か、と考えると、“戦争反対”と“憲法守れ”の2つだろう。
戦争反対! には 戦争するな! がつく。
憲法守れ! には 平和を守れ! がつく
コール・アンド・リスポンス の関係になる。
これにより、“戦争反対”と“憲法守れ”のスローガンの内容がより鮮明になる。
「戦争にも色々ある」が、今だいじなのは「戦争させないこと」だ。
「憲法も完全無欠ではない」が、今だいじなのは「平和を守るために憲法を守る」ことだ。