本日の赤旗に重い記事が載っていた。
ドイツの強制収容所での強制売春問題だ。
中心事実はこうだ。
男性収容者(彼らは収容所内の軍需工場の労働者でもあった)のために、収容所内に売春宿が造られた。
女性専用の収容所から女性が連れて来られた。女性は飢えと疫病のなかで死んでいくか、売春宿で働くかの選択を迫られた。
200人以上が働かされた。
平日は午前8時から午後10時まで、土日は終日働かされた。
男性一人に対して15分間、最大で1日15~16人を相手にした。
「強制収容所の売春宿」の著者ロベルト・ゾンマーさんとのインタビュー。ベルリン駐在の片岡特派員による記事だ。

感想を書くのもはばかられるほどおぞましい話だが、強制収容所の恐ろしいほどの非人間性という枠組みに括られるものであり、慰安婦問題とは別途に語られるべきものだろう。
「売春」という事象に思考が絡み取られてしまうと、事態の本質を見失う恐れがある。一方的戦争(侵略)という不条理な全体の中での、不条理な、非人間的な強制の一つとしての位置づけを忘れないことがもとめられる。