前の文章で

単細胞とか原生動物などでは、両刀遣いみたいに植物の能力も捨てていないような動物がいるのではないだろうか。

と書いたのは、ミドリムシのことだが、どうもあまり深い知識がないのでそう書いておいた。

しかしやはり気になる。そこでミドリムシの視覚について調べてみた。

ミドリムシ(緑虫)は鞭毛虫の一種である。ミドリムシというのは単一種ではなく、Euglena 属の総称である。

鞭毛運動をする動物的性質をもちながら、同時に植物として葉緑体を持ち光合成を行う。(ウィキペディア)

というから動物と植物の中間のヌエ的な存在である。

どうも単細胞生物というのは、植物から動物がわかれたという私の所説と矛盾するところが多く、あつかいに苦労する。今のところは「単細胞生物は動物と植物の共通の祖先ではなく、共通の祖先から独特な発展を遂げた特殊な生物である」と“逃げ”を打っておきたい。

先に進もう。

ミドリムシは、ボド類のような原生動物と緑色藻類との「真核共生」により成立したと考えられる。ミドリムシのなかには葉緑体を持たず捕食生活を行うものもある。

ということで、「両刀遣いみたいに植物の能力も捨てていないような動物」でもないし、「動物と植物の中間のヌエ的な存在」でもない。

ミドリムシは植物との共生という特殊な進化を遂げた原生動物である。いわば体内に植物を飼っている動物ともいうべきか。

ところで、肝腎の視覚のことだが、

鞭毛の付け根には、ユーグレナという名の由来でもある真っ赤な眼点があるが、これは感光点ではない。
感光点は眼点に近接した鞭毛基部の膨らみに局在する光活性化アデニル酸シクラーゼ (PAC) の準結晶様構造体である。真っ赤な眼点の役目は、特定方向からの光線の進入を遮り、感光点の光認識に指向性を持たせる事である。

とあるから、「光活性化アデニル酸シクラーゼ (PAC) 」というのが視覚物質の本態のようである。これがどういう物質で、どのように視覚という感覚を形成するのかについては触れられていない。

ただ、ここではそれ以上調べるもしないので、いったん詮索は止めることにする。はっきりしたのは、ミドリムシよりもっとプリミティブな世界に遡らなければならないということである。


と言いつつ、やはり気になるので、光活性化アデニル酸シクラーゼについても調べてみた。案の定、さっぱり分からない。PAC: photoactivated adenylyl cyclaseというのだそうだ。

発見されたのはつい最近。日本人のチームが発見してNature に発表している。

Iseki M, Matsunaga S, Murakami A, Ohno K, Shiga K, Yoshida K, Sugai M, Takahashi T, Hori T, Watanabe M (2002). "A blue-light activated adenylyl cyclase mediates photoavoidance in Euglena gracilis". Nature 415 (6875): 1047?51. PMID 11875575

というので、興味のある方はどうぞ。

ウィキペディアの解説によると、PACは二つの構造から構成されており、これを光感知領域と、酵素領域という。

光感知領域にはフラビン色素(FAD)が結合しており、紫外線をあてると緑色の蛍光を発する。

酵素領域にはcAMPを合成する働きがあり、おそらくはフラビン色素の発色を受けて外部へ信号を発信するのであろうと思われる。

ウィキペディアに書かれているのはこれだけだ。

それでは葉緑体が光を受けてエネルギーを発生する機序はどうなったいるのか、そこにはPACとの相同性は認められるだろうか、それについては、また別途調べなければならないようだ。