きょうの赤旗に下記の記事が載っていて、勉強になった。というより勉強させられた。
「2030年の電源構成比率 どう考える」という題で、中身は関西大学の安田陽さんという人のインタビューだ。
紹介と言っても難しすぎて(多分佐久間記者の端折りすぎ)、要約のしようがないのだが、感想的にいくつかあげておきたい。

1.ベースロード電源とは

定義を聞いても良く分からないが、図を見ると需要の波の最小量と同じことらしい。必要最小限供給量ということになる。であれば、そういう値はあって当然と思う。

2.なぜベースロード電源(という枠組み)が必要か
電源構成は安定して低コストほど良いわけだが(安全であることが前提だが)、そういうものは得てして小回りがきかない。電気は貯められないから、安定していて低コストでしかも小回りの効かないものをベースロードに当てて、それ以外を適宜ミックスしながら電力を構成しようということになる。
そのベースロードにあたるものが原発、火発、水力、地熱なのだそうだ。(ただしダムは放流を止め、石油・LPG火発は元栓を止めれば良いので小回りが効かないとは言えない)

ということで、最初から話が二重三重になっていて、つまづいてしまうのだが、
①「ベースロード電源(ベース電源)」と書かれているが、本当にベースロード電源とベース電源は同じ意味なのか、
②なぜベースロード電源の比率が原発比率の根拠になるのか、
③4割とか6割とかいうが、何の何に対しての割合なのか、
これらが省略されて、一気に本論に突っ込んでいる。
これについては、あとで別途調べてみなくてはならないだろう。とりあえず前に進む。

3.ベースロード電源は何割くらいが必要か
1,2,を前提とすると、次に問題になるのは最大供給能力に対して何割くらいが必要なのか、あるいは適当なのかという話になる。
安田さんの話だと、この計算がめちゃくちゃなようなのだ。経産省が提出した数字ではカナダ、米国、フランス、オランダではベース電源の比率が80~100%になっているという。その上で、日本は4割しかないからこれを上げる必要があり、そのために原発が必要という論建てになっている。

ちょっと待ってよ。一体これはどういう数字なの。そんなに恣意的に、政治上の算術で出す数字じゃないでしょ。電力需要の振幅と最小需要量から自動的に出てくる数字じゃないんですか。ごく単純に言えばススキノのネオンが消える頃の消費電力量でしょう。
まぁ、とにかくここも保留にしておいて前に進もう。

4.ベース電源という考えそのものが時代遅れ

安田さんによると、ベース電源という考えそのものが、すでに時代遅れなのだそうだ。
答えは簡単で、「安定していて、低コストでしかも小回りの効かない」発電様式が衰退し、「安定していて、低コストでしかも小回りの効く」ものが主流になりつつあるからだ。
水力も夜間の揚水で電力供給にもメリハリが付き、火発も石油やLPGであれば出力の調整は容易だ。
「安定していて、低コストでしかも小回りの効かない」発電というのは原発と石炭火発のみだ。だからこの2つが時代遅れなら、ベース電源という考えも時代遅れということになる。

5.今の時代は「優先給電」
考えてみると、「安定していて、低コスト」をベースロードとして優先すれば、「不安定で高コスト」の再生可能エネルギーは立つ瀬がなくなる。
再生可能エネルギーが不安定なのは分かっている。空が晴れなければ、風が吹かなければ、電力は発生しない。雪が積もればアウトだし、強風で壊れた風車は枚挙に暇ない。
しかし高コストというのは必ずしも当たっていない。立ち上げコストを組み込んでしまうから高コストになる。理屈の上では原料コストはゼロなのだ。不安定さは風力・太陽光の組み合わせでかなり克服できる。
そこで打ち出されたのが「優先給電」の考え方だ。
これは、経産省とは真逆の発想で、再生可能エネルギーをいわばベースロード電源にしてしまう考えだ。
その上で、再生可能エネルギーの不安定さを「安定していて、低コストでしかも小回りの効く」LPG火発や揚水発電で補完しようということだ。

6.どっちにしても原発はお呼びでない
経産省のベースロード論の上にたっても、原発はお呼びではない。
「安定しているが小回りは効かない」という元からの弱点に加え、コスト比較でもLPGより優れているとはいえなくなった。しかもそこにはもっとも肝心な要素「安全性」という弱点がある。
原発はいかなる面から見てもベースロード電源としての資質を失ってしまった。
ましてこれを再生可能エネルギーと比べることなど、ナンセンスの極みであろう。

とりあえず、いったん項をとじるが、先ほどの基本的な事項についての勉強は、これからとりかかる。