むかしも今も、オーケストラをランク付けするのはみんな大好きだ。
英グラモフォン誌のランキングが話題になったのは記憶に新しい。
指揮者が誰かということでずいぶん変わるから、どこまでがオケの実力なのかはなかなか判断が難しい。
それにランキングするのは、たいていが大枚はたいてコンサートに行く人たちのものだから、チンケな音源をチンケな再生装置で聞いている人間は、なかなか発言しづらい。
おおまかに言うと、オーディオで楽しむ場合は、弦合奏のかっちりした枠組みと受け応えがいかに出来上がっているかが評価の基準だ。
しかしコンサート会場だと音量のダイナミクスとか、しなやかさとか、管楽器の音色のようなものが優先するのではないか。
ここではハイドンからマーラーまでを守備範囲とし(シベリウスも加えて)、コンサート・ライブの音源を中心とし、指揮者の好みも入れつつ語ってみたい。
1.クリーブランド管弦楽団
時代を越えて言えば、ジョージ・セルの振ったクリーブランド管弦楽団(とくに最後の5年間)は、古今東西最高である。
セルの真骨頂はモーツァルトにある。こんなに粒立ちが揃って、細かいニュアンスを演奏しきった録音はない。ただし華麗さはない。
2.ベルリン・フィル
上記に加え、管楽器の華麗さと弦合奏の迫力がある。オーケストラとしての腕前はクリーブランドの一歩上を行く。フルトベングラーがなくなった54年から後、カラヤン以外の指揮による演奏(カラヤンが好きでないから)が最高だ。ただしこれといった指揮者はいない。例えばマゼールであったりカイルベルトであったりバルビローリであったりする。
3.(旧)フィルハーモニア管弦楽団
本当にうまいのかどうなのかはわからない。しかしクレンペラーの時のフィルハーモニアは、たしかに音が融け合ってバランスが良い。メンデルスゾーンとマーラー4番は最高。
4.シカゴ交響楽団
ライナーの時のシカゴは本当にすごい。ショルティの時は輝くシカゴ・サウンドではあるが、弦のニュアンスは希薄である。
5.ウィーンフィル
多分デッカ録音のおかげと思うが、イッセルシュテットとのベートーベンやバルビローリは最高。技量以前にウィーン情緒が浮かび上がってきて、いかんともしがたい血の優位性を感じてしまう。
ただし最近のコンサート・ライブにはひどいものがある。
6.バイエルン放送交響楽団
最近のコンサート・ライブを聞く限り、世界最高のオーケストラだ。弦にしなやかさと芯の強さがある。コンセルトヘボウより上だと思う。クーベリック時代の無機質なサウンドよりはるかに良い。あの頃のイメージでは語れない。
7.アムステルダム・コンセルトヘボウ
悪いが、決定的な演奏というのを聞いたことがない。ベイヌムのブラームスもライバルが多すぎて、昔の音質でまで聞く気はしない。ベストワンという人もいて、腕は良いのだろうが…
8.フィラデルフィア管弦楽団
ムーティとの一連の録音に素晴らしい物がある。「白鳥の歌」だったのかもしれない。