本日の赤旗5面に「残業代ゼロ制度」に関する日弁連集会の記事が載っていた。

米国の実態が報告されたというので注目して読んだが、例えば図表が1999年のもので、イマイチの感がある。

そこで少しネットで調べることにした。

まずは「ホワイトカラー」というサイト。ただしこの解説では不足するため、注釈を挿入した。

位置づけ

最初に呼称問題に触れている。

厚生労働省労働政策審議会では、ホワイトカラー・エグゼンプションという呼び名で審議されていますが、アメリカに於いてこういう呼び方は、一般的ではありません。

そもそもアメリカではホワイトカラー労働者とブルーカラー労働者を差別してはいけないと言う、暗黙の了解があり、ホワイトカラーとは言わないことになっています。

Exemption とは、免除あるいは適用除外という意味で、労働基準法(FLSA)の適用を除外されることを示す。
 
公正労働基準法(FLSA)は、労働基準法ではなく、企業間競争の公正(Fairness)を確保する目的の法律である。(小川英郎さん)

一般的にはエグゼンプト労働者とノン・エグゼンプト労働者と読んでいます。

ノン・エグゼンプト労働者は1週間に40時間を越える労働をした場合には、残業手当として時間あたり50%増しの対価が得られます。エグゼンプト労働者とは1週間に40時間以上の労働をしても、残業手当が付きません。

適用範囲

適用範囲は3つの職種に分類されています。「管理職」「基幹事務職」「専門職」です。
 

これも不正確。米政府によるとホワイトカラーの88%が「残業料ゼロ」となっている(週刊東洋経済)
例えば、バーガーキングの副店長など、専門職・管理職といえない人たちが、割増賃金の支払い対象から合法的に除かれている。(小川さん)
管理職として除外された人は、管理業務は1%ほどで、残りの99%は商品棚の前での作業など、管理的な業務とは無関係の仕事をしています。(三浦直子弁護士)

週給455ドル以上がホワイトカラー・エグゼンプションの対象になっています。年収でみると280万円です。

週給455ドルという金額は、国際調査局が定める4人家族の貧困ライン以下の金額だ(三浦直子弁護士)

このへんから説明は怪しくなってくる。

実際にはその様な低賃金でのホワイトカラー・エグゼンプション対象者はわずかです。
 

これも不十分な記述である。1999年の統計では、全労働者の21%がエグゼンプトとされている。適用除外規定の詳細は労働長官が作成する規則に委ねられれている。(ドイツでは、適用除外の対象労働者は2%にすぎない)

別なところでは、「エグゼンプト労働者はおおむね年収が高く、最低でも500万円以上の年収があります」と書いてあるが、数字で示されているわけではない。


ネットで記事を探していると、結構イライラしてくる。

知ったかぶりのアメリカ生活者が、生活習慣や労働慣行の違いをことさらに取り上げて、ご高説を垂れるような記事ばかりだ。

だいじな数字は年収280万円以上で対象になってしまうということ。全労働者の21%が残業代ゼロを強制されているということ。ホワイトカラーの88%が「残業料ゼロ」となっていること。

聞きたいのは米国の伝統でも、ウエイ・オブ・ライフでも、ましてやあなたの感性でない。

もっと統計で、それも都合のいい数字でなく、文句のないマクロの数字で物を言って欲しい。そうでないとあなた方、アメリカでは生き抜けないのではないですか?

そのうえで、どうしてアメリカがこんなひどい状況になってしまったのか、その分析に踏み込むべきでしょう。