反復練習について、一応これまでのまとめをしておきたいと思います。

反復練習とは一連の動作を一塊にして頭頂葉と小脳に刷り込むための過程です。したがって技能の習得には必須の過程です。

だいじなのは成功の繰り返しであって、失敗の繰り返しではありません。ただし、試行錯誤としての失敗は成功に向けてのアプローチであり、大事な過程です。

無意味な失敗を繰り返すことはためになりません。

成功にはコツとか秘訣というものがあり、それを獲得するのは頭頂葉の役割です。ただし小脳の力量を超えてしまえば、成功はそもそも不可能です。

頭頂葉は成功のコツをイメージ力によって実現します。これは視覚と体感覚と時間感覚を統合し、運動の一連のシリーズとして小脳に伝える力です。

このイメージは頭頂葉ないしその近接部位にイメージ記憶として刷り込まれます。言語化された記憶ではないので、海馬には貯蔵されません。

頭頂葉の記憶装置は相当強力なものです。泳ぎとか自転車乗りなどは一度覚えたら一生忘れません。これに対し小脳にはあまり強力な記憶装置はないようです。だから細かい運動の調整は練習しなければすぐに衰えます。

基礎練習は常に反復しなければなりません。錦織選手が反復演習を徹底的に行ったのにはそういう理由があったのでしょう。

頭頂葉は脳のあらゆる部分の影響をうけるのに対し、小脳というのはかなり隔絶した独自の世界です。したがって、ここを鍛えておけば、周囲の状況に影響されず、「体が勝手に動いてくれる」状態が出現します。そのことで本来の力を発揮できるのでしょう。

とりあえずこんなところかな。