Dynamic Draw という作図ソフトをダウンロードした。
その易しさ、わかりやすさは画期的である。なにか私にも使えそうな気がする。
これまで文系人間である私の文章は、平文で図式を表現するようなところがあって、読解困難と言われた。
基本的には論旨明快な人間だと思うのだが、グラフで表現できればな、といつも考えていた。
しかし、適当なアプリケーション・ソフトがなく断念していた。
とりあえず作ってみたのが前の記事の三角関係の図だ。
記事の構造がかなり一目瞭然になって、見晴らしが良くなったと、自分では思っている。
そこで今度は老健における入所者の流れを図にしてみた。
一度できた図をダメにしてしまって、二回作った。2回めは初回の4分の1の時間で作ることができた。
これは反復練習の効果の顕著な例であろう。
反復練習の意味は、即座に繰り返すと、効果が倍増するということだ。とくに成功体験の確認には有効だと思う。

ということで、できあがったのが下の図
老健流れ図
これは我が老健「はるにれ」を中心としてみた高齢者の流れだ。
老健が半健康高齢者のプールとなっていることが良く分かる。

老健施設は、できた頃は病院から在宅への中間施設として位置づけられ、いまもたてまえとしてはそのままである。しかし現実としては「看取りをやらない特養」となっている。
「看取り」をやらないという点では中間施設であるが、それは在宅復帰に向けての中間施設ではなく、御臨終に至るまでの中間施設である。上り坂ではなく、下り坂の中間施設なのだ。
それはまた病院でもなく高齢者施設でもない、いわば「鵺的な」中間の施設という意味でも「中間施設」である。
ところが最近は医療の側に引き寄せようとする動きが目立つようになった。
一番の問題はカネはまったく出さずに、病院並みの管理を強制しようとするお上の攻撃である。かつての療養型病床に要求される水準が、老健にもとめられるようになった。しかも報酬の裏付けなしにだ。
一方で療養型病床が減らされるから、本来療養型に行かなければならない人が滞留するようになった。病気が悪化して急性期病院に送った人は、以前はかなり療養型に回されていたのだが、このパイプが目詰まりを起こしている。最近はほぼ100%戻されるようになった。ICUから一般病棟に戻す感覚である。
送った方の責任もあるし、向こうの事情(在院日数のしばり)もよくわかるから、口に出しては何も言えずに引き取る。

こうなると、先々の問題として一番心配なのがナースの疲弊である。老健ナースの給与は一般病院に比べれば2,3割は低い。それでも何とか集まるのは楽だからだ。そして彼女たちの側になにがしかの事情があるからだ。
それが楽でなくなれば、辞めていく。辞めたナースは病院には戻らない。もはや能力的についていけないし、彼女たちは家事や育児、年寄りの世話と多忙だからだ。

イロイロ考えると、前途暗澹たるものがある。