最近どうもよくわからないのだが、大企業減税による成長戦略というのが、どうして「日本再興」につながるのか、その理屈はどうなっているのだろうかということがひとつ。
もう一つは、政策立案者なり実行主体なりがその「理屈」を本当に信じているのかということだ。
さらに言うなら、「トヨタ栄えて国滅ぶ」という結末にならないのか、説得力をもって説明できていないし、する気もないことも気がかりだ。
本日の赤旗には、去年6月に出された「日本再興戦略」が紹介されている。これは安倍政権がアベノミクスの第3の矢として打ち出したものだ。
前から、この第3の矢は方向が逆だと思っていたが、それが消費税増税でモロに出たことはご承知の通り。
というのも、第1の矢である大胆な金融緩和と、第二の矢である赤字国債による公共投資の拡大はある意味で古典的な景気刺激策であり、その方向で成長を実現し内需を喚起し、もって財政の改善を図るというものだ。
ことの是非や実現可能性はともかくとして、理屈そのものはよく分かる。
しかしこの第3の矢は第1,第2の矢の方向と真っ向から対立してしまうのではないか。企業減税はいいとしても、その財源を大衆収奪の強化にもとめるのでは、成長どころか水かけになってしまう。政策的な一貫性がないのである。
学校の試験でこのような答えを書いたら、落第まちがいなしではないか。

とくに財務省の考えが見えない。そもそも財務省は財政再建を至上命題としてやってきたはずだ。そのためには景気後退が長引こうとも引き締め政策を堅持しようと突き進んできたはずだ。
しかし政策主導で金融緩和と大型公共投資が行われ、そのやり方は頓挫した。であれば根本の考えは保留するとしても、とりあえず積極財政にふさわしい財政のあり方にかじを切るべきではないか。ブレーキとアクセルを両方とも力いっぱい踏み込んでいたのではエンジンがぶっ壊れてしまう。
この辺りをどう考えるのか、さっぱり見えてこないのである。

一番肝心なこと、国民はもう我慢できないところまで追い詰められてきていること、それを見ているのか、見えているのか、そのあたりが全く見えてこないところに、最大の危機感を感じてしまうのである。