16日のロシア国営テレビがプーチンとのインタビューを報道した。
このインタビューの中身をめぐって若干の混乱があるようだ。
共同通信ウラジオの通信員の記事が配信されている。そこではこうなっている。

1.クリミアはロシアの歴史的な領土で、そこに居住しているロシア人が危険にさらされていた。彼らを見捨てることはできなかった。

2.昨年2月にヤヌコビッチ政権が崩壊した際、ロシアは核戦力を戦闘態勢におく準備を行った。状況がどのように展開しても相応の対応ができるよう指示した。

3.クリミア編入に際し、ロシア軍2万人以上を動員し、大量の地対空ミサイルなどで半島を要塞化した

一方赤旗に掲載されたモスクワ発の時事通信では、
1.プーチンはクリミア軍事介入の際に核戦力を使用できる臨戦態勢に入る用意もあった。
2.ただ、軍事専門家は核臨戦体制を主張したが、プーチンはこれを却下した。
となっており、ずいぶん様子が違う。おそらくは時事通信のほうが聞き違いではないかと思う。プーチンが言う核戦力は、欧米諸国が干渉してきた時に対抗する戦略核のことであろう。
クリミアで実際に戦術核を使うということではないだろう。
毎日新聞の田中特派員も、「クリミアを一方的に編入した際、核兵器の使用を準備していた」と書いている。
赤旗は時事通信の配信を使って「核使用を準備」と横見出し、縦に「クリミア介入時」と並べた。
時事がそう書いたのだから仕方ないといえば仕方ないのだが、勇み足といえば勇み足。
さらにリード記事で
プーチンはクリミアを併合する際、核兵器を使用する準備をしていたことを自ら明らかにしました。
とまで踏み込むと、さすがに実態とはかけ離れてくるようだ。
もちろん、プーチンの発想は冷戦思考剥き出しのとんでもないもので、糾弾に値する。しかし記事はちょっと跳ねすぎのようだ。
この見出しなら本来は一面トップだろう。しかし欧米通信社は意外に冷静のようである。