正直エロイカがこんなに面白いとは思わなかった。
メロディーが次々と流れてきて、それが次々とピタピタっとはまっていく。まさに快感だ。
だらだらと長い曲かと思ったら、まさにメロディーの万華鏡だ。
テトリスの落ち物がことごとくストンと落ちていく。
あまりにも用意周到にはまっていくためにすっかりセルにやられてしまったという感じもしてくる。
とにかくオケがうまい。どうしてここまでうまいんだろうと感心してしまう。
終楽章のコーダなど、もうこの世のものと思えないくらいのビタビタだ。
イッセルシュテットの狂ったようなコーダも忘れがたいが、この完璧さには到底かなわない。
セルの数ある名盤の中でも屈指の演奏の一つだろう。録音も良い。