ASEANの成立事情について詳しく書かれた論文を見つけたので、これに基づいて年表を増補します。

アジア冷戦とASEANの対応 ZOPFANをてがかりに」 黒柳米司
反共・親米のタイ、フィリピンと、反共・非同盟のインドネシアの間を取り持ちながら、マレーシアがまとめ役になって進んできたというのが経過のようです。
当初、フィリピン、タイはASEANに対して冷ややかでしたが、ベトナムのカンボジア侵入、中越戦争を挟んでASEANの重みを評価するようになったようです。
その後、フィリピンのマルコス政権打倒、インドシナ三国のASEAN加盟などを通じて影響力を広げてきました。
ASEANは経済共同体としての顔と、安全保障共同体としての顔を持っています。どちらもシステムとしては未成熟なものですが、ネゴシエーションの蓄積とノウハウについては学ぶべきものがあるでしょう。それがASEANを実態以上に大きく見せている秘密なのでしょう。