The Economist explains
Jan 4th 2015
Where Islamic State gets its money

という記事があった。下記がその全文である。


残忍な聖戦主義者、イスラム国家(IS)を打ち負かすのは容易ではない。アメリカに率いられた連合軍がそうしようとしているが。

ISは、世界のbest-financedされたテロリスト組織の1つである。国家に後援されたものを除いては。

この秘密グループの正味の財産については信用できる見積りがない。しかし、2014年10月に、アメリカの当局者は「かなり大きい札束」で富をためていると見ている。

イスラム国は月400ドルくらい戦士に給料を支払う。そして、それはシリアの反乱グループやイラク政府の給料より多い。彼らはトラブルなく武器類を購入している。買い入れ先は闇市場に顔を出す堕落した当局者、あるいは民兵である。

彼らは支配地域の政務をこなしている(常に成功しているとは限らないが)。学校教師に給料を払い、貧者や寡婦を養っている。

そこでだ。彼らはどこでそのカネを手に入れるのだ?

この富なしで、ISはそんなに速く広がることができなかった。

彼らは2013年3月に現在の形態での存在を宣言したばかりだ。それは彼らがイラクからシリアに進出した時だ。その後彼らはアルカイーダとたもとを分かった。

それから彼らは二つの国にまたがる帯状の地域を闘い取った。2013年6月までに、シリアの都市Raqqaを占領した。そして、2014年6月に、それはイラク第二の都市モスルを占拠した。そして600~800万人の住む地域を制圧した。そして6月の末に「カリフ国」を宣言した。

戦士は、グループに加わるために群がった。

2014年9月までに、3万人の男性、婦人警官隊の中の一部の女性がいた。そして、そこには1万5千人の外国人戦士を含んだ。

al-Qaedaを含む他のテロリストのグループと違って、ISは金持ちの支持者によってではなく、主に自らの力で資金を確保する。(アメリカ、イランまたはイスラエルがグループに資金を出しているとの情報も飛び交うが)

ISは湾岸諸国の支援者から寄付を受けているけれども、それらは財源の比較的微々たる要素である。

ISの資金の中心は、外部からの支援ではなく、西イラクと東部シリアの支配区から算出する石油の収益である。

アメリカの当局は、空襲の開始前、石油からの収入は1日あたり200万ドルと見積もっている。現地の情報ではそれ以上だと言われている。当局者は空爆により石油収益はかなり落ちたとしている。

(これは変な話で、石油施設くらい破壊しやすいものはない。その気になれば1日で壊滅させることができるはずだ)

それだけの土地を支配することは、ISが徴発と徴税によって資金を獲得することを可能にする。

それは、他のjihadistグループのように、誘拐が有益だということを学んだ。

ISは、去年1年で少なくとも2千万ドルの身代金を獲得した。フランスとスペインのジャーナリスト数人を含む人質であげた収入である。

このグループは、その資金源を切り離すことなしに破ることはできない。

だから連合国は、グループの軍備強化の抑制と同時に、収入源への攻撃を目標にしているという。アメリカとその同盟国は、シリアでISに支配された精油所に対する空襲を実行した。

アメリカと英国は身代金を人質の代金として払うことに対して厳しい政策を持つ。ヨーロッパの国に、身代金の支払いをやめるように圧力をかけている。

いくつかの国は、ISリーダーに対する制裁とおなじように、募金に応じる人々への制裁も適用している。

しかし、当局は長い戦いであると強調する。

今のところ、ISはまだ、必要とするもののすべての代金を払うことができるようである。


この記事を読んでも資金源は明らかでない。石油の売り上げ、“徴税”、身代金というのが収入の三本柱で、これに国外からの援助がくわわる、ということらしい。このうち石油の売り上げを除けば、他のテロリストもやっていることだ。

身代金の収入が年間2千万ドルというが、そんなもの石油の10日分にしかならない。だいいち誘拐にはそれなりのリスクが伴う。成功例の10倍は失敗例(カネが取れないというのもふくめ)があると考えたほうが良い。

資金源が石油だということはわかっている。問題はどのようにして石油が資金源になるのかということだ。石油と引き換えに金を渡している奴は誰なのか、トルコの仲買人だとしたら、その仲買人にカネを渡している奴は誰か、その石油を買って消費しているのは誰か。ここが明らかにされないと、記事の題名は誇大宣伝ということになる。

いずれにしても石油を何とかしなくてはならないのだ。しかも、そのやり方はきわめて簡単なのだ。生産を止めるには生産設備を破壊すればよい。1時間もあれば済んでしまう。販売を止めるには購入を禁止すればよい。石油には“色”がついているから、調べればどこでとれた石油かはすぐに分かる。

こんなことがどうしてできないのか、それが不思議だが、そのことについて答えた文章がない。これも不思議な話だ。